<解説>第50回理学療法士・作業療法士国家試験問題(50A33) 上腕骨骨折について

 33 上腕骨骨折について正しいのはどれか。
1.顆上骨折は高齢者に多い。

2.近位部骨折は小児に多い

3.近位部骨折では外転位固定を行う。

4.骨幹部骨折では骨壊死が起こりやすい。

5.骨幹部骨折では橈骨神経麻痺が起こりやすい。


【解説】

上腕骨の顆上骨折は、小児に多い骨折の一つです。ころんだ際に肘伸展位のまま手をついて受傷することが多いです。

合併症としては、正中神経麻痺や橈骨神経麻痺(、尺骨神経麻痺)、内反肘のリスクがあります。

この骨折の早期に発生する可能性がある合併症としてフォルクマン拘縮があります。これは上腕動脈が損傷され、血栓形成、スパズムが生じ血行障害が生じたことが引き金になります。

高齢者に多い骨折は、大腿骨頸部骨折、椎体の圧迫骨折、上腕骨外科頸骨折(上腕骨近位部骨折)、橈骨遠位端骨折(コーレス骨折)があります。

上腕骨近位部骨折では、固定は肘関節を90度屈曲させ肩関節を内旋させて三角巾を利用して体幹前面にバストバンドなどで固定します。固定する際は、屈曲や外転など挙上させることはしません。

骨折後、骨癒合しにくい部位(偽関節の好発部位)としては、大腿骨頸部内側、脛骨の中下1/3、手の舟状骨、距骨体部、上腕骨の解剖頸があります。それ以外の部位では、骨壊死が起こりやすいとは言えませんので、4は×となります。

上腕骨の骨幹部骨折ですが、上腕骨の骨幹部にはらせん状に橈骨神経溝があります。そのため、上腕骨の骨幹部骨折では、橈骨神経麻痺が発生しやすいことになります。

答え:5

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