上腕骨 Humerusの概要
上肢で最も長い長(管)骨.
近位端,上腕骨体,遠位端に区分し、
1上腕骨頭
2頸体角
3後捻角
4解剖頸
5大結節
6大結節稜
7小結節
8結節間溝
9小結節稜
10外科頸
11三角筋粗面
12橈骨神経溝
13栄養孔
14内側顆上稜
15外側顆上稜
16内側上顆
17尺骨神経溝
18外側上顆
19上腕骨顆
20上腕骨滑車
21鈎突窩
22肘頭窩
23上腕骨小頭
24橈骨窩
上図は左上腕骨の前面
上図は、左上腕骨の後面
□key words
1上腕骨頭head of humerus
肩関節shoulder joint 2頸体角neck shaft angle 3後捻角retroversion angle |
近位端 |
4解剖頸anatomical neck
関節包articular capsule |
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5大結節greater tubercle
6大結節稜crest of greater tubercl |
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7小結節lesser tubercle
8結節間溝intertubercular groove(intertubercular sulcus) 9小結節稜crest of lesser tubercle |
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10外科頸surgical neck
▲外科頸骨折surgical neck fracture |
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11三角筋粗面deltoid tuberosity | 上腕骨体 |
12橈骨神経溝radial groove
▲上腕骨骨幹部骨折humeral diaphyseal fracture |
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13栄養孔nutrient foramen | |
14内側顆上稜medial supracondylar ridge
15外側顆上稜lateral supracondylar ridge |
遠位端 |
16内側上顆 medial epicondyle
17尺骨神経溝groove for ulnar nerve |
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18外側上顆lateral epicondyle | |
19上腕骨顆condyle of humerus
腕尺関節humeroulnar joint 20上腕骨滑車trochlea of humerus 21鈎突窩coronoid fossa 22肘頭窩olecranon fossa 腕橈関節humeroradial joint 23上腕骨小頭capitulum of humerus 24橈骨窩radial fossa |
近位端
上腕骨頭
上腕骨の近位内側上方に向く半球状の関節頭.
関節の軸は上腕骨体の長軸から前額面で約135°傾斜(頸体角),水平面で後方へ約30°捻れている(後捻角※).
胎児の後捻角は80°前後ある.野球選手の投球側は通常よりも大きい値(50°前後)を示す.
解剖頸
解剖学的な頸部で上腕骨頭の周囲を輪状にとりまく浅い溝の部分.
関節包が付く.
大結節
上腕骨頭の前外側部の大きい隆起部.
上方から後方へ順に棘上筋(肩甲上神経),棘下筋(肩甲上神経),小円筋(腋窩神経)が付く.
大結節稜
大結節の前下方に伸びた低い隆起部.
大胸筋(内側胸筋,外側胸筋)が付く.
小結節
上腕骨頭の前内側にある小さい隆起部.
肩の前面で肩甲骨の烏口突起のすぐ外側に触知できる.肩甲下筋(肩甲下神経)が付く.
結節間溝
大結節と小結節の間の縦に長く深い溝.
上腕二頭筋(筋皮神経)の長頭腱が通る.
小結節稜
小結節の下方に伸びた低い隆起部.
前方から順に内側へ広背筋(胸背神経),大円筋(肩甲下神経)が付く.
外科頸
大結節,小結節の遠位で上腕骨体へ移行する細い部分で関節包の外にある.
▲高齢者に多い上腕骨近位端骨折(外科頸骨折)の好発部位.
上腕骨体
三角筋粗面
大結節稜の下方,上腕骨体外側中央のV字型の粗面.
三角筋(腋窩神経)が付く.
橈骨神経溝
上腕骨の後内側上部から後外側下部へラセン状に続く浅い溝.
上腕三頭筋の外側頭と内側頭の付着部の間にあり橈骨神経,上腕深動脈が通る.
▲上腕骨骨幹部骨折では橈骨神経が障害されやすい.
栄養孔
内側縁中央の栄養血管を通す孔.
遠位端
内側顆上稜
内側縁下端の角張った部分で内側上顆に続く.
上腕三頭筋(橈骨神経)内側頭,上腕筋(筋皮神経,橈骨神経),円回内筋(正中神経),内側上腕筋間中隔が付く.
外側顆上稜
外側縁下端の角張った部分で外側上顆に続く.
上腕三頭筋(橈骨神経)内側頭,腕橈骨筋(橈骨神経),長橈側手根伸筋(橈骨神経),外側上腕筋間中隔が付く.
内側上顆
内側縁に続く上腕骨内側下端部.
後面には尺骨神経溝がある.
前腕の屈筋群(主に正中神経)が起こる.
外側上顆
外側縁に続く上腕骨外側下端部.
前腕の伸筋群(主に橈骨神経)が起こる.
上腕骨顆
上腕骨の遠位下端部で内側上顆と外側上顆の間の部分.
上腕骨滑車,鈎突窩,肘頭窩,上腕骨小頭,橈骨窩が含まれ腕尺関節および腕橈関節を構成する(下表参照).
腕尺関節に関係する上腕骨顆の部位 |
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上腕骨滑車 | 下端中央にあり内側部が外側部よりも大きく,突出している.
尺骨の滑車切痕が関節窩となり連結する. |
鈎突窩 | 上腕骨滑車の上前面にある.
肘を深く屈曲する際,尺骨の鈎状突起を受ける. |
肘頭窩 | 上腕骨顆の後面で上腕骨滑車のすぐ上にある.
肘を伸展する際,尺骨の肘頭を受ける. |
腕橈関節に関係する上腕骨顆の部位 |
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上腕骨小頭 | 上腕骨顆の前外側にある小球部.
▲この部の骨端症はPanner’s病. |
橈骨窩 | 上腕骨小頭の上前面にある.
肘を深く屈曲する際,橈骨頭の関節環状面を受ける. |
上腕骨に付く筋とその付着部
上腕骨に付く筋 | 上腕骨の付着部 | |
三角筋 | 三角筋粗面 | |
棘上筋※ | 大結節 | |
棘下筋※ | ||
小円筋※ | ||
肩甲下筋※ | 小結節 | |
大胸筋 | 大結節稜 | |
広背筋 | 小結節稜 | |
大円筋 | ||
烏口腕筋 | 中央内側 | |
上腕筋 | 前面で三角筋粗面の下方 | |
上腕三頭筋(外側頭) | 橈骨神経溝の上外側 | |
上腕三頭筋(内側頭) | 橈骨神経溝の下内側
外側顆上稜、内側顆上稜 |
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腕橈骨筋 | 外側顆上稜 | |
長橈側手根伸筋 | ||
短橈側手根伸筋 | 外側上顆 | |
肘筋 | ||
回外筋 | ||
尺側手根伸筋 | ||
(総)指伸筋 | ||
円回内筋 | 内側顆上稜 | 内側上顆 |
橈側手根屈筋 | 内側上顆 | |
長掌筋 | ||
尺側手根屈筋 | ||
浅指屈筋 | ||
(長母指屈筋の副頭) |