上肢・手指の関節可動域測定(ROM測定)についてまとめました。
日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による測定法です!
国家試験対策にも活用できます!
目次
肩甲帯
shoulder girdle
運動方向 | 参考可動域 | 基本軸 | 移動軸 | 注意点 |
屈曲 flexion |
20 | 両側の肩峰を結ぶ線 | 頭頂と肩峰を結ぶ線 | |
伸展 extension |
||||
挙上 elevation |
肩峰と胸骨上縁を結ぶ線 | 前面から測定する | ||
引き下げ (下制) depression |
10 |
「挙上「と「引き下げ」の測定に関しては、標準整形外科学では「背面から測定する」となっていますが、
基礎運動学では、「前面から測定する」となっています。
参考図は前面からの測定です。
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肩
shoulder(肩甲帯の動きを含む)
運動方向 | 参考可動域 | 基本軸 | 移動軸 | 注意点 |
屈曲 flexion (前方挙上) |
180 | 肩峰を通る床への垂直線(立位または坐位) | 上腕骨 | 前腕は中間位とする。 体幹が動かないように固定する。 脊柱が前後屈しないように注意する。 |
伸展 extension (後方挙上) |
50 | |||
外転 abduction (側方挙上) |
180 | 体幹の屈曲が起こらないように90°以上になったら前腕を回外することを原則とする。 | ||
内転 adduction |
0 | |||
外旋 external rotation |
60 | 肘を通る前額面への垂直線 | 尺骨 |
上腕を体幹に接して、肘関節を前方90°に屈曲した肢位で行う。 |
内旋 internal rotation |
80 | |||
水平屈曲 horizontal flexion |
135 | 肩峰を通る矢状面への垂直線 | 上腕骨 | 肩関節を90°外転位とする。 |
水平伸展 horizontal extension |
30 |
肩(その他の検査法:別法)
運動方向 | 参考可動域 | 基本軸 | 移動軸 | 注意点 |
外旋 external rotation |
90 | 肘を通る前額面への垂直線 | 尺骨 | 前腕は中間位とする。 肩関節は90°外転し、かつ肘関節は90°屈曲した肢位で行う。 |
内旋 internal rotation |
70 | |||
内転 adduction |
75 | 肩峰を通る床への垂直線 | 上腕骨 | 20°または45°肩関節屈曲位で行う。 立位で行う。 |
外旋・内旋
内転
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肘
elbow
運動方向 | 参考可動域 | 基本軸 | 移動軸 | 注意点 |
屈曲 flexion |
145 | 上腕骨 | 橈骨 | 前腕は回外位とする。 |
伸展 extension |
5 |
前腕
forearm
運動方向 | 参考可動域 | 基本軸 | 移動軸 | 注意点 |
回内 pronation |
90 | 上腕骨 | 手指を伸展した手掌面 | 肩の回旋が入らないように肘を90°に屈曲する。 |
回外 supination |
手
wrist
運動方向 | 参考可動域 | 基本軸 | 移動軸 | 注意点 |
屈曲 flexion (掌屈) |
90 | 橈骨 | 第2中手骨 | 前腕は中間位とする。 |
伸展 extension (背屈) |
70 | |||
橈屈 radial deviation |
25 | 前腕の中央線 | 第3中手骨 | 前腕を回内位で行う。 |
尺屈 ulnar deviation |
55 |
母指
thumb
運動方向 | 参考可動域 | 基本軸 | 移動軸 | 注意点 |
橈側外転 radial abduction |
60 | 示指(橈骨の延長上) | 母指 | 運動は手掌面とする。 以下の手指の運動は原則として手指の背側に角度計を当てる。 |
尺側内転 ulnar abduction |
0 | |||
掌側外転 palm abduction |
90 | 運動は手掌面に直角な面とする。 | ||
掌側内転 palmar adduction |
0 | |||
屈曲 flexion (MCP) |
60 | 第1中手骨 | 第1基節骨 | |
伸展 extension (MCP) |
10 | |||
屈曲 flexion (IP) |
80 | 第1基節骨 | 第1末節骨 | |
伸展 extension (IP) |
10 |
母指(その他の検査法:別法)
運動方向 | 参考可動域 | 基本軸 | 移動軸 | 注意点 |
対立 opposition |
母指先端と小指基部(または先端)との距離(cm)で表示する。 |
指
fingers
運動方向 | 参考可動域 | 基本軸 | 移動軸 | 注意点 |
屈曲 flexion (MCP) |
90 | 第2~5中手骨 | 第2~5基節骨 | ⇨その他の検査法参照
DIPは10°の過伸展をとりうる。 |
伸展 extension (MCP) |
45 | |||
屈曲 flexion (PIP) |
100 | 第2~5基節骨 | 第2~5中節骨 | |
伸展 extension (PIP) |
0 | |||
屈曲 flexion (DIP) |
80 | 第2~5中節骨 | 第2~5末節骨 | |
伸展 extension (DIP) |
0 | |||
外転 abduction |
第3中手骨の延長線 | |||
内転 adduction |
屈曲・伸展(MCP)
屈曲・伸展(PIP)
屈曲・伸展(DIP)
外転・内転
指(その他の検査法:別法)
運動方向 | 参考可動域 | 基本軸 | 移動軸 | 注意点 |
外転 abduction |
第3中手骨延長線 | 2,4,5指軸 | 中指先端と2,4,5指先端との距離(cm)で表示する。 | |
内転 adduction |
||||
屈曲 fexion |
指尖と近位手掌皮線(proximal palmar crease)または遠位手掌皮線(distal parmar crease)との距離(cm)で表示する。 |
近位手掌横線や遠位手掌横線ともいいます。