ブログで解説!51回理学療法士国家試験問題 51A7 (ブルンストロームステージ)

7.脳卒中右片麻痺の麻痺側運動機能についてBrunnstrom法ステージの検査を行ったところ、図に示す段階までの運動が可能であった。

 評価の組合せで正しいのはどれか。

51A7

1.上肢Ⅳ-手指Ⅳ-下肢Ⅳ

2.上肢Ⅳ-手指Ⅴ-下肢Ⅳ

3.上肢Ⅳ-手指Ⅳ-下肢Ⅴ

4.上肢Ⅴ-手指Ⅴ-下肢Ⅳ

5.上肢Ⅴ-手指Ⅴ-下肢Ⅴ

 

目次

【解説】

Brunnstrom法ステージについて

大まかには次のようになります。Ⅰ~Ⅵまでの段階で評価を行います。

StageⅠ・・・弛緩性麻痺の状態です。(随意運動なし)

StageⅡ・・・連合反応の出現時期です。(痙性発現)

StageⅢ・・・共同運動パターンの出現時期です。(痙性著明)

StageⅣ・・・分離運動の出現時期です。(痙性やや弱まる)

StageⅤ・・・分離運動が進みんだ時期です。(痙性減少)

StageⅥ・・・正常に近い分離運動が行える時期です。(痙性ほとんどなし)

(このステージを歌と動作で表現している動画がありました。これが理解できればOKかも。)

 

上肢のステージ

 

ステージⅠ
反射的にも随意的にも運動・筋収縮がない状態。

 

ステージII

多少の痙性と共同運動パターンの出現期で、連合反応あるいは随意的におこる筋収縮がみられる状態。

 

ステージIII
共同運動パターン(屈筋共同運動・伸筋共同運動)が最も強くなる時期。

 

ステージIV
1) 手を腰の後ろに回す
2) 腕を前方水平位に挙上する
3) 肘関節90°屈曲位で前腕を回内・回外する

 

ステージV
1) 腕を側方水平位に挙上する
2) 腕を頭上まで挙上する
3) 肘関節伸展位で前方または側方水平位で腕を回旋する

 

ステージVI
ほぼ正常な動作ができる状態。

 

下肢のステージ

 

ステージI

全く随意性がみられない状態。

 

ステージII
連合反応としてレイミステ反応がみられる。

 

ステージIII
屈筋共同運動・伸筋共同運動パターンが最も強く現れる。

 

ステージIV

1) 坐位での膝関節伸展
2) 坐位で膝関節を90°以上屈曲して足を床の後方へ滑らす
3) 坐位で踵を床から離さずに足関節を背屈する

 

ステージV

1) 立位で股関節伸展位で膝関節を屈曲する
2) 立位で足を少し前方に出し、踵を床につけたまま足関節を背屈する
3) 坐位で股関節を内旋する

 

ステージVI

1) 立位で膝関節伸展位のまま股関節を外転する
2) 立位での足踏み

 

 

手指のステージ

 

ステージI

弛緩状態で、手指が全く動かない。

 

ステージII

自動的に手指の屈曲のみがわずかにできる。

 

ステージIII

随意的に全指同時握り(集団屈曲)や鉤握りができる状態。
しかし随意的な伸展はできない

 

ステージIV

集団伸展が一部可能となり、横つまみができる状態。

 

ステージV

集団伸展が充分にでき、対向つまみ・筒握り・球握りができる状態。
しかし動きは不器用で実用性は低い。

 

ステージVI

全ての握りやつまみが可能となり、巧緻性も改善し完全な伸展ができる状態。
個別の手指の運動はできるが健側に比べ正確さは劣る。

 

答え

5.上肢Ⅴ-手指Ⅴ-下肢Ⅴ

 

追加解説

 

図から評価すると、

 

上肢は、ⅤまたはⅥ

手指は、ⅤまたはⅥ

下肢は、ⅤまたはⅥ

ですので、選択枝の組合せから考えると5.(上肢Ⅴ-手指Ⅴ-下肢Ⅴ)となります。

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