手根管とギヨン管についてanatomy of Carpal tunnel & Ulnar canal(Guyon’s canal)

手根管とギヨン管についての解説です!

手根管の解剖学的な特徴や関連する神経や靭帯、
ギヨン管についての関連する神経や靭帯について
解説しています。

  • 手根管(しゅこんかん)
  • 屈筋支帯(くっきんしたい)
  • 手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)
  • ギヨン管(=尺骨神経管)
  • 掌側手根靱帯(しょうそくしゅこんじんたい)

について書いています。

目次

手根管
Carpal tunnel

 

屈筋支帯(横手根靱帯)とその下の手根骨との間隙(がんげき:すきまのこと)をいう.

屈筋支帯(くっきんしたい)

手掌外側にある橈側手根隆起(舟状骨結節,大菱形骨結節からなる)と内側にある尺側手根隆起(豆状骨,有鈎骨鈎からなる)の間に張る一種の副靱帯.

正中神経,橈側手根屈筋腱,長母指屈筋腱,浅指屈筋腱,深指屈筋腱が通る.

▲手根管症候群carpal tunnel syndrome

手根管より遠位で正中神経から枝をもらって支配される手内筋(母指対立筋短母指外転筋短母指屈筋の浅頭,第Ⅰ,Ⅱ虫様筋)が麻痺する.

いわゆる正中神経の低位麻痺です。

正中神経については、こちらの記事も参考にしてください。

正中神経、橈骨神経、尺骨神経について(走行・支配領域・障害)

 

key words

橈側手根隆起radial eminence of wrist

尺側手根隆起ulnar eminence of wrist

屈筋支帯(横手根靱帯)flexor retinaculum

 

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ギヨン管(=尺骨神経管)
Ulnar canal(=Guyon’s canal)

豆状骨の橈側,有鈎骨鈎の尺側の間で屈筋支帯(横手根靱帯)豆鈎靱帯が底部となり掌側手根靱帯の遠位部と短掌筋の近位部に被われてできる掌側の管.

尺骨神経および尺骨動脈を通す

 

ギヨン管と肘部管の症状の違いは?

小指掌側の感覚神経(尺骨神経掌枝)はギヨン管を通るが,手背尺側の感覚はギヨン管の手前で分枝した尺骨神経手背枝が支配する.

そのため▲ギヨン管症候群は小指掌側の感覚障害,▲肘部管症候群cubital tunnel syndromeは小指掌側と小指背側の感覚障害が生じる.

 

key words

屈筋支帯(横手根靱帯)flexor retinaculum

豆鈎靱帯pisohamate ligament

掌側手根靱帯Palmar carpal ligament

 

掌側手根靱帯(しょうそくしゅこんじんたい)

屈筋支帯の中央から分かれ尺側にある豆状骨に帯状に付く.

その下を尺骨動脈,尺骨神経が通る.(掌側手根間靱帯とは異なる.)

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参考文献(1~10)

この解剖学の記事を書く上で参考にした主な文献です。

主な参考文献を合わせると、40冊ほどになります。
その中でも、特に活用した文献10冊についてご紹介します。

1)森 於菟 ほか:分担 解剖学1総説・骨学・靱帯学・筋学(改定第11版).金原出版,1982

2)ヘルガ・フリッツ (著), ヴェルナー・プラッツァー (著):解剖学アトラス原著第10版.文光堂,2012

3)金子 丑之助:日本人体解剖学 (上巻).南山堂; 改訂19版 (1999/12/1)

4)Oatis CA:Kinesiology.Lippincotto Williams & Wilkins,2009

原著(英語版)を使用しましたが、翻訳版が出ています。
英語が苦手な方は、翻訳版がおすすめです。

原著(英語版)の英語は、分かりやすく書かれています
ので挑戦したい方は、こちらがおすすめです。
価格も翻訳版よりも安いですよ。
私が参考にした洋書は、第2版でしたが
第3版が出版されていますので、最新版がおすすめです。

Kinesiology: The Mechanics and Pathomechanics of Human Movement by Carol A Oatis PT PhD(2016-02-13)

Kinesiology: The Mechanics and Pathomechanics of Human Movement by Carol A Oatis PT PhD(2016-02-13)

5)Donald A.Neumann:筋骨格系のキネシオロジー 原著第3版 単行本(ソフトカバー) – 2018/12/28

こちらも運動学では定番の教科書です。
私が参考にしたのは、英語版ですが、日本語翻訳版が
出版されています。

6)Keith L Moore:Clinically Oriented Anatomy ,Lippincott Williams & Wilkins;4 edition,1999

こちらも翻訳版が出ています。
世界的な名著なのでおすすめです。

英語ができる方は、洋書の方がおすすめです。
価格は、翻訳版の半分ほどで、しかも最新版すので。

7)Florence Peterson Kendall, Elizabeth Kendall McCreary, Patricia Geise Provance, Mary McIntyre Rodgers, William Anthony Romani:Muscles: Testing and Function, with Posture and Pain,Lippincott Williams & Wilkins; Fifth Edition edition (February 1, 2005)

こちらの本も運動学の名著です。

日本語版が出ていますのでご紹介します。

英語での原書はこちらです。

8)橋本 淳・信原克哉:肩診療マニュアル 第3版.医歯薬出版,2008.1

最新版が出ていますので、そちらを紹介します。
肩に関しては、おすすめの本です。

9)J. Castaing 他/中山彰一 ・井原和彦(訳):図解 関節・運動器の機能解剖 下肢編.協同医書出版,1986

変わった視点から分かりやすいイラストを用いて解説してあります。

運動器の学習をする際には、一度目を通されることをおすすめします。

10)Gray’s Anatomy for Students: With STUDENT CONSULT Online Access, 3e

この本も翻訳されていますので、最新版を掲載します。

英語でも、読みやすい本です。

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