<解説>第50回理学療法士・作業療法士国家試験問題(50P33) アキレス腱周囲炎について

 33 アキレス腱周囲炎について正しいのはどれか。

1.10~20代に多い。

2.踵補高の足底板を用いる。

3.Thompsonテスト陽性である。

4.疼痛は下腿の近位に発生することが多い。

5.過労性骨膜炎が原因となっていることが多い。


【解説】

アキレス腱周囲炎ですので、アキレス腱断裂と勘違いしないようにする必要があります。

アキレス腱炎は、中年(35~45歳)の男性に多いとされています。

Thompsonテスト(Simmonds’ testとも呼ばれます)は、アキレス腱断裂の際に陽性になるテストです。腹臥位で下腿近位部(下腿三頭筋の筋腹)をつかむと、通常であれば足関節が自動的に底屈しますが、アキレス腱が断裂している場合は、足関節の底屈は生じません。

アキレス腱炎は、下腿三頭筋とアキレス腱の移行部の炎症、踵骨への腱付着部の炎症、滑液包の炎症などによって生じます。位置的には、下腿の遠位部になります。主症状は、アキレス腱付着部から2~6㎝近位の腫れや痛みです。

炎症期は、アキレス腱部にストレスをかけないことやアイシング、抗炎症剤などが使われます。アキレス腱部にストレスをかけないために、踵補高の足底板を用いて下腿三頭筋をゆるめることもあります。炎症が落ち着いてきたら、下腿三頭筋のストレッチなどを徐々に実施していきます。

過労性骨膜炎は、脛骨に起こりやすく、脛骨の過労性骨膜炎をシンスプリントと呼びます。オーバーユースや反復性のストレスによって生じるスポーツ外傷です。10代の女性に多いとされています。受傷要因としては、身体的にみて、回内足傾向、足関節の背屈可動域制限、母趾伸展可動域制限、後脛骨筋、ヒラメ筋足底筋などの機能不全があります。

答え:2

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