下腿三頭筋(腓腹筋、ヒラメ筋)、足底筋、膝窩筋について(起始・停止・作用・支配神経)

下腿三頭筋(腓腹筋、ヒラメ筋)、足底筋、膝窩筋
すなわち、下腿屈筋群の浅層の筋についてのまとめです。

腓腹筋は二関節筋ですが、ヒラメ筋は足関節
のみに作用する筋です。

足底筋についても、一応、二関節筋と言えます。
膝窩筋の役割も興味深いところです。

目次

下腿屈筋群
【浅層】

下腿後面の表層にあり主に足関節の底屈に作用する.

全て脛骨神経支配(動画リンクあります。)

1.下腿三頭筋
triceps surae

強大な足関節の底屈筋.

腓腹筋とその深層にあるヒラメ筋を合わせた名称

▲アキレス腱断裂ではトンプソンテスト(Thompson Testが陽性となる.

トンプソンテストは、腹臥位で膝を90度
屈曲させて、ふくらはぎをつかむテスト。

正常では、足関節の底屈が起こりますが、
アキレス腱が断裂している場合は、掴んでも
底屈がみられません。

①腓腹筋(動画リンク)
gastrocnemius

表層の筋で触知は容易.

両頭は膝窩の内側下縁,外側下縁を形成.

hifuku

起始 内側頭 大腿骨の内側上顆
外側頭 大腿骨の外側上顆
時に種子骨※
停止 腓腹筋とヒラメ筋は癒合してアキレス腱(踵骨腱)となり
・踵骨隆起の後面中央
作用 足関節の底屈,内がえし
膝関節の屈曲
二関節筋
髄節 S1,2
神経 脛骨神経

 

②ヒラメ筋(動画リンク)
soleus

腓腹筋に被われる広い扁平な筋.

殆どが赤筋.

触知は腓腹筋の下外側で可能

hiramekin

起始 腓骨頭と腓骨後面
脛骨のヒラメ筋線
・ヒラメ筋腱弓※(脛骨腓骨の間)
停止 腓腹筋とヒラメ筋は癒合してアキレス腱(踵骨腱)となり
・踵骨隆起の後面中央
作用 足関節の底屈,内がえし
・下腿を後方に引く(筋の反作用)
・立位の安定性
髄節 L5,S1,2
神経 脛骨神経

2.足底筋(動画リンク)
plantaris

細長い筋.60%は欠け,破格や個人差が多い.

sikka

起始 大腿骨の外側上顆(腓腹筋外側頭の付着部より上)
膝関節包腓腹筋外側頭の下から腱となり腓腹筋とヒラメ筋の間を斜めに下りアキレス腱の内側を通る.
停止 ・踵骨隆起の内側
作用 足関節の底屈,内がえし
膝関節の屈曲
髄節 L4,5,S1
神経 脛骨神経

 

3.膝窩筋(動画リンク)
popliteus

sikkakin

起始 大腿骨の外側顆
・外側半月の後角
関節包を貫き,足底筋の筋腹に被われて下腿近位部を斜め内側下方に走る
停止 脛骨後面でヒラメ筋線のすぐ上方
作用 膝関節の屈曲補助
・下腿の内旋
※屈曲内旋させ膝の伸展位ロックを解除.
膝の随意的屈曲で外側半月後部を後方へ引き,その押し潰しを防ぐ.
髄節 L4,5,S1
神経 脛骨神経

 

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関連事項

ヒラメ筋腱弓の下を膝窩動脈,脛骨神経が通る.

※腓腹筋の外側頭内にできる種子骨をファベラFabellaと呼び,時に▲膝痛の原因となる.

膝窩筋の機能不全があると,外側半月(板)が膝屈曲時に挟み込まれ,膝窩部痛を生じる原因となる.

Kager’s fat padがアキレス腱と長母趾屈筋の間隙を埋め,底屈時の腱の滑動性を高めている.

 

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