頸椎と頭蓋骨の連結(環椎後頭関節、環軸関節)について

頸椎上端(C1,2)と後頭骨との連結.

この三者(C1、C2、後頭骨)の間の連結
環椎後頭関節、環軸関節)には、
椎間板が存在せず、比較的緩い関節包を持った
小さな滑膜性関節の組合せからなる.

全体として頭関節とも呼ばれる.

目次

環椎後頭関節(atlantooccipital joint)

 

後頭骨の後頭顆とC1の上関節窩による
楕円関節(顆状関節)で、C0/1とも記載される.

C1(環椎)の上関節窩は楕円状に
凹んでいて外側部が高いため、
頭部の屈曲,伸展,側屈方向へ
のみ可動性
が有る.

そのため頭部の回旋では、
環椎後頭関節は動かず、
軸椎の上で環椎と後頭骨が一体となって動くことになる。

 

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環軸関節(atlantoaxial joint)

 

C1とC2の間の関節で①正中環軸関節,②外側環軸関節からなる.

一般にC1/2と記載される.

 

①正中環軸関節median atlantoaxial joint

軸椎の歯突起環椎との
連結で、車軸関節に分類される.

実際に連結する2か所の部分は、
(1)<軸椎の前方部分(歯突起の前関節面)と
環椎(の歯突起窩)>
(2)<軸椎の後方部分(歯突起の後関節面)と
環椎横靱帯(C1の外側塊の間を結ぶ)の前面>
で連結する.

それぞれ別の関節包に包まれ
頭頸部の回旋の大部分に関わる

関節包は薄くゆるい.

 

②外側環軸関節lateral atlantoaxial joint

 

環椎(C1)の下関節面と軸椎(C2)の上関節面との平面関節

関節包は広くてゆるく頭頸部の回旋に関わる.

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頸椎と頭蓋骨に関する靱帯

 

環椎十字靱帯(かんついじゅうじじんたい)

C2の歯突起を後方から十字形に被う2つの靱帯
環椎横靱帯,縦束)の総称で、
軸椎の歯突起をC1(環椎)の前弓部に保持し
頸椎の回旋時の軸を安定させる.

1)環椎横靱帯(かんついおうじんたい)

環椎(C1)の両外側塊の間に張る厚く強い
靱帯。
環軸関節を構成する歯突起を保持し、
歯突起の後方への移動を制限し延髄、頸髄を守る。

 

2)縦束(じゅうそく)

蓋膜の前で歯突起の後方にあり、
C2の椎体後面と大後頭孔の前縁を
縦方向に結び環椎横靱帯を補強する.

 

翼状靱帯(よくじょうじんたい)

歯突起上部から上外側に走り
後頭顆内面に付く一対の靱帯。
頭部の過度の回旋を制限する。

 

歯尖靱帯(しせんじんたい)

縦束の前方にあり
C2の歯突起尖と大後頭孔前縁を結ぶ。

 

蓋膜(がいまく)

後縦靱帯の上部に続く幅広い膜。
環椎十字靱帯を後方から被う屋根を
形成する。
後頭骨の斜台やC2,3の椎体後面に付く。

 

前環椎後頭膜(ぜんかんついこうとうまく)

C1の前弓と大後頭孔の前縁との間に張る線維性の膜.

 

後環椎後頭膜(こうかんついこうとうまく)

黄色靱帯の続きとされ、C1の後弓と
大後頭孔の後縁との間に張るが、
椎骨動脈溝(環椎にある)の上は欠けており、
ここを椎骨動脈と第1頸神経(後頭下神経)が通る。

 

外側環椎後頭靱帯(がいそくかんついこうとうまく)

後頭骨とC1の横突起の間に張り、
環椎後頭関節の関節包の外側面を補強する.

 

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