錐体路の経路と覚え方と上位運動ニューロンについて解説します!
錐体路って分かっているようで、何となく分りにくいですね^^
どこから、どこまでが錐体路になるのか?
錐体路に含まれる経路は、具体的に何なのか?
それと、上位運動ニューロンとの関係は?
もしかして錐体路=上位運動ニューロンなのか?
こういった疑問が解決できる内容にしたいと思います!
上位運動ニューロンとは?
外側皮質脊髄路、前皮質脊髄路、皮質核路の3つからなります。
皮質核路が錐体路に含まれる分類では、上位運動ニューロン=錐体路
皮質核路が錐体路に含まれない分類では、上位運動ニューロン=錐体路+皮質核路です。
分類の違いはありますが、結局、大脳皮質にある運動野から脊髄の前角細胞あるいは脳神経の運動神経核までの経路が上位運動ニューロンということになります。
錐体路(すいたいろ)とは?
ズバリ皮質脊髄路のことです!(皮質核路を含める場合もあります。)
皮質脊髄路には、外側皮質脊髄路と前皮質脊髄路の2つの経路があります!
図の左上の赤枠で囲ったPyramidal tractsと書いてある部分が、脊髄の錐体路が通るところです。
外側皮質脊髄路
経路は、外側皮質脊髄路という名称から分かるようにしてあります!
外側・・脊髄外側の側索を通る
皮質・脊髄路・・大脳皮質から脊髄までの下行性の経路
という意味です!
具体的な経路は?
大脳皮質の運動野(中心前回)
↓
内包の後脚
↓
中脳の大脳脚
↓
橋縦束
↓
延髄の錐体
↓
下部延髄で錐体交叉(75~90%程度)
(反対側へ移動)
↓
脊髄の側索
↓
脊髄の前角細胞へ
ここまで、1本の神経線維のまま到達します!
【錐体路の覚え方】
映像化すると覚えやすいです!
参考までに・・
前回、後ろ足が衰退して、永遠に交叉してしまい、席の前の角(かど)に当たった!
<意味>
前回・・中心前回
後ろ足が衰退・・内包の後脚、中脳の大脳脚
永遠に交叉・・下部延髄で交叉
席の前の角・・脊髄の前角
補足
前角から筋までは、下位運動ニューロンです!
ですので、大脳皮質の運動野から筋までの間では、シナプスは1回だけです!
神経線維は、大脳皮質から前角細胞までの錐体路が1本、
前角細胞から目的の筋までの末梢神経(下位運動ニューロン)が1本ですので、
合計2本の神経線維で筋まで到達することになります!
前皮質脊髄路
前・・脊髄の前索を通る
皮質・脊髄路・・大脳皮質から脊髄までの下行性の経路
という意味です!
大脳皮質の運動野(中心前回)
↓
内包の後脚
↓
中脳の大脳脚
↓
橋縦束
↓
延髄の錐体
↓
交叉せずに、脊髄の前索を下行(運動線維の10~25%程度)
↓
目的の筋へ向かう直前に
◆脊髄で白交連交叉をして反対側の前角細胞へ
(白交連は、脊髄の中心部分のすぐ前にあります。)
◆一部は、交叉せずに同側の前角細胞へ
同じくここまで、1本の神経線維のまま到達します!
皮質核路について
厳密に言うと、皮質核路は、錐体路には含まれませんのでご注意を!
一部の文献によっては、錐体路に皮質核路を含めるように記載されていますが、厳密には入りません!
テストでは、その辺が曖昧なので、その都度、出題者の意図を考えた回答が要求されますが・・・^^;
そもそも、
錐体路の名前の由来ですが、
延髄腹側の錐体と言われる部分を通る神経が錐体路と呼ばれています。
皮質核路は、大脳皮質から核(各種、脳神経核)まで到達してから目的の筋(首から上の顔の筋など)へ向かいます!
動眼神経核(Ⅲ)、滑車神経核(Ⅳ)、三叉神経運動核(Ⅴ)、外転神経核(Ⅵ)、顔面神経核(Ⅶ)、疑核(舌咽神経:Ⅸ、迷走神経:Ⅹ、副神経:Ⅺ)、舌下神経核(Ⅻ)に向かう線維です!
延髄の錐体を通らないのは・・
動眼神経核(Ⅲ)、滑車神経核(Ⅳ)、三叉神経運動核(Ⅴ)、外転神経核(Ⅵ)、顔面神経核(Ⅶ)に向かう運動神経の線維です。
これらの神経線維は、延髄の錐体を通らず、その前の中脳や延髄で目的の神経核へ向かいます。
中脳・・動眼神経核(Ⅲ)、滑車神経核(Ⅳ)
橋・・三叉神経運動核(Ⅴ)、外転神経核(Ⅵ)、顔面神経核(Ⅶ)
延髄の錐体を通るのは・・
疑核(舌咽神経:Ⅸ、迷走神経:Ⅹ、副神経:Ⅺ)、舌下神経核(Ⅻ)に向かう運動神経の線維です。
これらの神経線維は、一応延髄の錐体部分を通り、目的の運動神経核へ向かいます。
ここで重要なのが、皮質核路の神経線維は、一部しか延髄の錐体を通らないということです!
ですので、厳密には錐体路には含まれないことなります。
延髄に到達する前の中脳や橋の部分で神経のシナプスを乗り換える神経線維があるため皮質核路は、厳密には錐体路には含まれないことになります!
錐体路についても、分かり易く書いて有りますのでオススメです!
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