深部感覚障害の原因は?ロンベルグ検査陽性の意味もチェック!

感覚にも色んな種類があります。

感覚の分類についても、色々あって
わかりにくいので、整理して
説明しようと思います。

目次

感覚の種類

感覚の種類 受容器 感覚の種類
体性感覚 皮膚感覚
(表在感覚)
皮膚 温度、痛覚、
触角
深部感覚 筋、腱、関節 関節覚、位置覚
内臓感覚 臓器感覚 内臓 尿意、空腹感など
内臓感覚 痛覚
特殊感覚 視覚 色など
聴覚 耳(コルチ器) 高音、低音
平衡感覚 耳(前庭、半規管) 身体の傾き
嗅覚 鼻(嗅上皮) ニオイ
味覚 舌(味蕾)

感覚には、上の表に示すような
種類に分けられます。

全体像は、こんな感じです。

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深部感覚の種類

深部感覚も、実は大きく2つに分けられます。

<1>意識される深部感覚

<2>意識されない深部感覚

この2つです。

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<1>意識される深部感覚(後索路)

受容器は、パチニ小体、マイスネル小体
などで、皮膚に存在します。

また、一部は筋や腱にも存在します。

我々の関節が、現在どのくらい
曲がっているか、どんな位置にあるか
が分るのは意識される深部感覚のおかげです。

後索路について

上の図の、赤枠部分が後索部です。
中央に近い部分が薄束で下肢からの
線維が通ります。
薄束よりも外側は、楔状束といい
頸部からの線維が通ります。

 

感覚性ですので、求心路
(求心性線維)です。

上行路とも言います。
(ちなにみ、下行路は、運動性線維です。)

受容器からの情報は、脊髄の方へ向かって
上がってきます(1次ニューロン)。
神経細胞体は、後根神経節にあります。
後根から脊髄に入ると、後索部分
上行して行きます。

下部延髄にある薄束核または楔状束核で
シナプス(1回目)を経由してから反対側へ
移行(毛帯交叉といいます)します。
2次ニューロン

そのまま、内側毛帯を上がっていきます。

橋(内側毛帯

中脳(内側毛帯

視床(後外側腹側核:VPL核)で
シナプス(2回目)

3次ニューロンが、
大脳皮質(頭頂葉の中心後回)へ到達

 

<2>意識されない深部感覚(脊髄小脳路)

筋紡錘や腱紡錘からの情報によって
調整される感覚で筋紡錘からのⅠa線維、
ゴルジ腱器官からのⅠb線維が受容器です。

簡単に言うと、筋肉の状態を常にチェック
して姿勢の調整を行ったりするのに
重要な役割を果たしています。

情報は、小脳の虫部に伝えられて
調整されるようになっています。

ですので、

※感覚の重要な中継地である
視床は経由しません。

 

脊髄小脳路について、
詳しくは

 

深部感覚の伝導路!内側毛帯交叉と後脊髄小脳路の関係は?

に書いていますので
参考にしてください。

深部感覚障害とロンベルグ徴候との関係

ロンベルグ徴候は、立位で行いますが
開眼時はふらつきは少ないが、
閉眼するとふらつきが大きくなる現象です。

閉眼すると、視覚からの情報がストップ
するため、関節覚や位置覚が正常に
機能していないとふらつきが
大きくなる現象を生じます(ロンベルグ徴候陽性)。

深部感覚には、上記の2つの種類が
ありますが、小脳性の深部感覚障害が
あっても脊髄性の深部感覚が正常であれば
ロンベルグ徴候は陰性です、

逆に脊髄性の深部感覚障害があると
ロンベルグ徴候は陽性となります。

ちなみに、前庭迷路性の運動失調の場合も
ロンベルグ徴候は陽性となります、

深部感覚障害の原因

このように、深部感覚と言っても
上記の経路がありますので
症状の出方も様々です。

深部感覚に関係する経路の障害が
生じると深部感覚障害となります。

具体的な病名

脊髄癆

フリードライヒ運動失調症

亜急性連合性脊髄変性症

SMON

延髄内側症候群

 

<参考文献>

病態生理できった神経内科学、
イラスト解剖学

 

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