ジブリ映画「ゲド戦記」の主人公アレンを見た人は、誰もが豹変する表情や行動に違和感を覚えると思います。
ネットでは二重人格や多重人格だというコメントが多数ありますが、ホントのところはどうなんでしょうか?
二重人格や多重人格とは?
一応、二重人格や多重人格という規定はどうなっているんでしょうか?
解離性障害(かいりせいしょうがい)?
調べてみると、解離性障害(かいりせいしょうがい)という言葉が出てきます。
精神疾患を勉強している医療関係者や心理学を先行している学生さんであれば、聞いたことがある案外ポピュラーな病名です。
具体的には、どのような場合を解離性障害と言うのか、まとめると・・
自分が自分であるのが分からなくなるような状態であり、その中にいくつもの人格が出てくるものを多重人格障害であると説明してあります。
ちなみに、解離性障害を治療する上では、安心できる環境を整えることが重要であるとのことです!
やっぱり、アレンのことのようですね。書いてあることがそっくり当てはまりそうです^^;
アレンが二重人格である理由は?
アレンがテルーに語った説明
アレン自身がテルーに語った言葉の中にあります。
「だめなのは、僕のほうさ・・
いつも不安で、自信がないんだ・・」
「なのに、時々自分では抑えられないぐらい凶暴になってしまう・・」
「自分の中にもう一人、自分がいるみたいなんだ・・」
この一言だけでも、十分に二重人格である可能性が高いですが・・
アレンの表情や言葉遣い
もう一つは、かなり決定的な映像場面があります。
普段は、大人しくて、暗いイメージのアレンですが・・
一人の女の子(テルー)が悪党に襲われているのを見つけたとき、悪党に見つかって切りつけられ命の危機に晒(さら)されます。
すると、アレンの表情がみるみる変化して行き、別人のような凶暴さをみなぎらせた顔へと変貌!
剣を振るって悪党を次々と痛めつけていきます。
最後に残った首領が、この子がどうなっても・・と言ったときのアレンの言動が決定的でした!
「やれよ・・!」です^^;
完全に行っちゃってます~!
やばい感じです(別人ですよね~)
父親を手に掛けたアレンの行動
立派な王であるアレンの父親をアレンは、自ら手にかけてしまいます。
凶暴なまでの行動であり、父親が持っていた魔法で鍛えられた剣を奪って逃走してしまいます!
途中、オオカミたちの群れに襲われますが、その時は諦めて自分の命を投げ出すような素振りを見せます。
でも、このときは、たまたま通りかかったハイタカの魔法に助けられ一命をとりとめます。
このハイタカとの運命的な出会いも、アレンの持つ運命が導き寄せたのかもしれません。
ちょっと話がそれましたが、そもそも、アレンの元々の性格であれば、自分が尊敬する父親を自分の手にかけることなどするはずもありません。
そのことは、アレン自身がテルーに語っている内容で分かります。
「分からないんだ、どうして、あんなことをしたのか・・」
こう語っています。
ごもっともな内容です^^;
病んでいる理由は?
一つは、解離性障害かもしれないということです。
・・が、
そうでもありません!
なぜなら、明らかに、影(かげ)と言われるもうひとりのアレンが出現しているからです。
いくらなんでも、影(かげ)と言われる人物を出現させる力は、解離性障害にはないはずです。
ファンタジーアニメの世界なので仕方ないですが、この影(かげ)の役割が非常に大きいと考えられます。
影(かげ)については、もう一つの記事にも書いていますので、こちらも参考にしてください。
心の闇が身体を奪って逃げてしまった・・。
闇とともにあるべき光が身体を見つけてさまよう・・。
影の存在のことを、このようにアレン自身は説明していますが、魔法が使われ、竜と人とが存在していた時代の話ですので、そのようなことも可能性としては有りですね。
映画「ゲド戦記」の話の概要について
ゲド戦記の原作や内容について、その概要を簡単にご紹介します。
ゲド戦記の原作
アメリカのファンタジー小説家アーシュラ・クローバー・ル=グウィン書いたものです。
特に、原作「Earthsea」の第3巻The Farthest Shoreを元にゲド戦記が書かています。
原作を英語で読みたい方は、こちらです↑↑
挿絵も素晴らしいです。ジブリの絵と比較しても楽しめそうです。
原作「Earthsea」の翻訳をグーグルで調べると「ゲド戦記」と出てきます^^;
ですが、Earthsea・・ですので
Earth(地球、地上、住民などの意味があります)
sea(海)
から作られた造語の地名です。
でも、何となくイメージが湧く言葉だと思います。
映画「ゲド戦記」の中に出てくる街も、大きな港街が描かれていますので~!
映画「ゲド戦記」のあらすじ
生きることの意味を見失っている主人公アレンが、魔法を正しく使う意味を知っているハイタカ(ゲド)に出会い。その意味を理解し、人としての生き方を取り戻していくストーリーです。ヒロインのテルーとアレンとの関係が全体を通してストーリーの柱となっています。
かなり端折っていますので、なんのことか分かり難いかもしれませんが、物語の中には、伝説の竜(りゅう)、魔法で鍛えられている謎の剣、永遠の命を手に入れようとする正体不明の魔法使い「クモ」、主人公アレンにそっくりの影(かげ)などが登場します。ミステリー(謎解き)の一面も持っている作品です。ラストシーンは、感動しますよ~!