ブログで解説! 理学療法士・作業療法士国家試験問題 50P67,48A67 (排便機構)

67.排便機構で正しいのはどれか。

1.排便中枢は、第10~12胸髄に存在する。

2.排便反射では外肛門括約筋が収縮する。

3.下行結腸に便が貯留すると便意を生じる。

4.胃結腸反射により結腸の蠕動運動が亢進する。

5.副交感神経系は消化管運動に抑制的に作用する。

 

目次

【解説】

 

排便には、直腸が関係

直腸の末端が肛門で、そこには内肛門括約筋(平滑筋)外肛門括約筋(横紋筋)があります。

 

内肛門括約筋(平滑筋)は、交感神経の働きで収縮します。

外肛門括約筋(横紋筋)は、陰部神経に支配されています。

 

直腸に、糞便が入ってきて、その内圧が20mmHgに上昇すると便意を感じます。

そして、直腸壁から➡骨盤神経➡排便中枢(S2,3,4)➡大脳 と伝えられます。

 

直腸壁が伸展(伸ばされると)➡内肛門括約筋は弛緩、外肛門括約筋は収縮します。

しばらくすると、直腸壁の緊張がゆるんで、内圧が低下し➡便意がなくなり➡糞便が溜まります。

 

糞便が増加すると➡S状結腸での蠕動、直腸の収縮、内肛門括約筋の弛緩 ➡強い便意 が生じます。

 

➡次に、外肛門括約筋も弛緩、腹筋や横隔膜の収縮で腹圧が上昇 ➡排便 となります。

 

※ 自分の意志で排便する場合は、外肛門括約筋を弛緩させ、腹圧を高めることで随意的な排便が可能となります。

逆に、外肛門括約筋を収縮させて、排便を我慢することも可能です。

 

仙髄(S2,3,4)の排便中枢

大脳からの抑制を常に受けています。

それが、疾病などにより障害を受ければ、大便失禁が生じます。

 

胃結腸反射(=胃大腸反射)

意の中に食塊が入ると、大腸が蠕動運動が活発になる反射を言います。

この反射は、便の移動を活発にさせる働きがあります。

 

答え

4.胃結腸反射により結腸の蠕動運動が亢進する。

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