<解説>第50回理学療法士国家試験問題(50A25) アロディニア

25 視床出血の発症後2ヶ月で患側上肢にアロディニアを認める。発症要因はどれか。

1.中枢神経系の可塑的変化

2.上肢屈筋群の筋緊張の亢進

3.肩関節周囲筋への運動の過負荷

4.腱板部分断裂による炎症

5.肘関節の拘縮変形

 

目次

【解説】

アロディニア(allodynia)

異痛症とも呼ばれ、通常では痛みとならないような刺激(軽く触れるなど)が、すべて痛みとして認識される感覚異常です。

これらは、侵害受容器の閾値の低下(末梢性感作)、脊髄後角の広作動域ニューロンの閾値の低下(中枢性感作)などで、非侵害刺激(疼痛とは関係のない刺激)が侵害受容ニューロン(痛みを感知する神経)に伝わり、“痛み”として感じるようになるためと考えられています。

 

※痛みの伝達経路について(→)。

帯状疱疹後疼痛、片頭痛、線維筋痛症などの痛みとの関連が指摘されています。

(※痛覚過敏では、通常は痛みと感じる刺激がより強く感じる現象とされ、アロディニアとは区別してあります。)

 

可塑性(かそせい)

固体に外力を加えて変形させ、力を取り去ってももとに戻らない性質(デジタル大辞泉)。と定義されています。

 

1.中枢神経系の可塑的変化

何らかの原因(神経や組織の損傷などが長期化することなど)によって脳、脊髄レベルでの変化が生じて戻らなくなっている状態ととらえることができます。

2.~5.に関しては?

アロディニアの定義から考えても関係ありません。

 

解答:1

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