<解説>第50回理学療法士国家試験問題(50A13) 間欠性跛行と装具

13 60歳男性。両下肢のしびれと間欠性跛行とを認める。足背動脈の触知は可能で、体幹を前屈することによって歩行が容易となる。症状を改善するのに適している装具はどれか。

1.Boston型装具

2.Jewett型装具

3.Milwaukee型装具

4.Steindler型装具

5.Williamas型装具

目次

【解説】

間欠性跛行

大きく2種類に分けられます。

一つは動脈性のものでASO(閉塞性動脈硬化症)やBurger病などがそれに当たります。

もう一つは、神経性のもので腰部脊柱管狭窄症などによる馬尾神経の障害で生じるものになります。

症状が出現した際、動脈性の間欠性跛行は、姿勢の影響を受けませんが、神経性の間欠性跛行は姿勢の影響を受け、体幹を前屈させることで症状の軽減につながります。

症状消失にかかる時間については、血管性では速やかに改善し、神経性では比較的時間がかかります。

今回の症例

足背動脈の触知が可能であることから血管性ではない可能性が高く、また、体幹の前屈で症状が改善しているため神経性の間欠性跛行(腰部脊柱管狭窄症など)と考えられます。

設問の装具について

1.Boston型装具は、側弯症の代表的な装具です。アンダーアーム型に分類されています。

2.Jewett型装具は、脊椎の圧迫骨折に用いられる代表的な装具で体幹の前屈を制限します。

3.Milwaukee型装具は、側弯症の装具です。ボストンブレイスよりも適応範囲は広いですが、目立つため、思春期の女性が装着するには、見た目(コスメティックな面)に問題があります。

4.Steindler型装具は、フレームコルセットとも呼ばれ、胸腰椎の動きを制限し固定する目的で使われます。圧迫骨折や脊椎の手術後に使われます。

5.Williamas型装具は、腰椎の伸展を制限する装具で屈曲はフリー(制限しない)ようになっています。

解答

5.Williamas型装具

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