目次
[3] 横突棘筋
Transversospinales
横突起から起こり上方の棘突起に付く筋の総称.
半棘筋,多裂筋,回旋筋がある.
半棘筋は5つ以上の椎骨,多裂筋は2~4つの椎骨,長回旋筋は1つ椎骨を飛び越えて棘突起に付く.
短回旋筋は直上の棘突起の基部に付く.
長い筋束(半棘筋)ほど表層に,短い筋束(回旋筋)ほど深層にある.
すべて脊髄神経後枝の内側枝によって支配される.
半棘筋・・・5個以上の椎骨をとびこす
多裂筋・・・2~4個の椎骨をとびこす
長回旋筋・・・1個の椎骨をとびこす
短回旋筋・・・直上の椎骨につく
1.半棘筋
semispinalis
脊柱の上半分にある.
筋名 | 1.半棘筋 semispinalis |
起始 | 頭半棘筋:T1~5(6)横突起,C4~7関節突起
頸半棘筋:T2~7横突起 胸半棘筋:T5~11横突起 |
停止 | 頭半棘筋:・後頭骨(上項線と下項線の間の後頭鱗)
頸半棘筋:C2~5棘突起 胸半棘筋:C5~T4棘突起 |
作用 | 頭半棘筋: ・頭部の伸展,側屈 ・頸部の対側回旋頸半棘筋 ・頸部の伸展,側屈,対側回旋胸半棘筋: ・体幹の伸展,側屈,対側回旋 |
髄節 | C1~T6(不定) |
神経 | 脊髄神経後枝の内側枝 |
2.多裂筋
multifidus
腰部で最も発達.半棘筋に被われ,仙骨からC2の棘突起の両側にある.
筋名 | 2.多裂筋 multifidus |
起始 | ・仙骨後面 ・全腰椎の乳頭突起,副突起 ・全胸椎の横突起 ・C4~7下関節突起 |
停止 | 2~4個上の椎骨(C2~全腰椎)の棘突起 |
作用 | ・頸,胸,腰椎の伸展,側屈,対側回旋 |
髄節 | C3~S3(不定) |
神経 | 脊髄神経後枝の内側枝 |
3.回旋筋
rotatores
多裂筋に被われ背部の最深層にある.
胸部で最も発達.
胸部で最も発達.
筋名 | 3.回旋筋 rotatores |
起始 | ・C2以下の横突起の上内側 ・頸椎関節突起 ・腰椎の乳頭突起 |
停止 | ・上位の椎弓(棘突起の基部) ※短回旋筋は直上の椎骨,長回旋筋は椎骨を1つ越えて付く |
作用 | ・頸,胸,腰椎の対側回旋,伸展 |
髄節 | C3~S3(不定) |
神経 | 脊髄神経後枝の内側枝 |
[4] 棘間筋
Interspinales
頸椎と腰椎の上下の棘突起を(対になって)結ぶ短い筋.
頸部で最も発達し胸部※では殆ど欠如する.
筋名 | 棘間筋 interspinales |
起始 | 頸棘間筋:・C2~7の隣接する上下の棘突起間にある
腰棘間筋:・L1~L5の隣接する上下の棘突起間にある |
停止 | |
作用 | 頸棘間筋:・頸椎の伸展
腰棘間筋:・腰椎の伸展 |
髄節 | C1~T3 T11~L5 (不定) |
神経 | 脊髄神経後枝の内側枝 |
※胸棘間筋は,胸椎の上端部と下端部にのみある.
[5] 横突間筋
Intertransversarii
主に隣接する上下の横突起または肋骨突起間を結ぶ.
頸部で最も発達し胸部では殆ど欠如する.
筋名 | 横突間筋 intertransversarii |
起始 | ・頸椎の横突起 (・胸椎の横突起) ・腰椎の肋骨突起,副突起,乳頭突起 |
停止 | ・頸椎の横突起(・胸椎の横突起) ・腰椎の肋骨突起,副突起,乳頭突起 |
作用 | ・頸(,胸),腰椎の側屈,伸展と安定化 |
髄節 | C1~6 L1~4 (不定) |
神経 | ・脊髄神経後枝 ・脊髄神経前枝 |