椎骨(ついこつ)の基本構造
基本的に椎体，椎弓，棘突起，横突起，上関節突起，下関節突起からなる．
椎体(ついたい)
椎骨の前方を占める円柱状の部分で主要な体重支持部．
C2～L5にあり，筋や靱帯が付く．
椎弓(ついきゅう)
椎体の後方へ続く椎弓根とさらに後方の椎弓板からなる．
C2～L5にあり，筋や靱帯が付く．
棘突起（きょくとっき）
左右の椎弓板が合わさる部分から後下方へ向かって出る一つの長い突起．
筋や靱帯が付く．
C2～L5にある．
横突起（おうとっき）
椎弓の側方（椎弓根と椎弓板との境界）から外側に出る左右一対の突起で筋や靱帯が付く．
C1～T12にある．
上関節突起
椎弓の側方（椎弓根と椎弓板との境界付近）から上方に出る左右一対の突起でC3～L5，仙骨にある．
通常，後方に面する上関節面（C2～L5，仙骨にある）を有す．
下関節突起
椎弓の側方（椎弓根と椎弓板との境界付近）から下方に出る左右一対の突起（C2～L5にある）．
通常，前方に面する下関節面（C1～L5にある）を有す．
椎間関節（ついかんかんせつ）zygapophysial joint
； facet joint（⇒靱帯学）
上椎切痕(じょうついせっこん)
上関節突起と椎弓根上部からなる左右一対の浅い切れ込み．
C3～L5，仙骨にある．
下椎切痕
下関節突起と椎弓根の下部からなる左右一対の深い切れ込み．
C2～L5にある．
椎間孔(ついかんこう)
上の椎骨の下椎切痕と下の椎骨の上椎切痕に囲まれる部分．
頸神経，胸神経，腰神経などの脊髄神経が通る．
神経が20～30％，残りは血管，脂肪，リンパ管が占める．
C2/3～L5/S1にある．
椎孔(ついこう)
椎体と椎弓に囲まれる大きな孔．
脊柱管の大部分を構成する．
C1～L5にある．
脊柱管(せきちゅうかん)
頸椎，胸椎，腰椎の椎孔と仙骨管からなる約70cmの管で後頭骨の大後頭孔から仙骨裂孔までをいう．
成人ではL1～2の高さまでは脊髄，それより下は馬尾神経（腰髄，仙髄，尾髄から出る脊髄神経）が通る．
脊柱管の前壁は後縦靱帯（PLL），後壁は黄色靱帯（YL）で結合される（⇒靱帯学）．
横断面は，頸部で最も広く鈍三角形，胸部は狭く円形，腰部で再び鈍三角形の広い管となり仙骨管に入れば徐々に狭くなる．
脊柱管が広くなる頸部は脊髄の頸膨大，腰部は脊髄の腰膨大が入る．
□key words
| 椎体vertebral body |
| 椎弓vertebral arch
椎弓根pedicle 椎弓板lamina |
| 棘突起spinous process |
| 横突起transverse process |
| 上関節突起superior articular process
上関節面superior articular surface |
| 下関節突起inferior articular process
下関節面inferior articular surface |
| 椎間孔intervertebral foramen
上椎切痕superior vertebral notch 下椎切痕inferior vertebral notch |
| 椎孔vertebral foramen |
| 脊柱管vertebral canal
脊髄spinal cord 頸膨大cervical enlargement 腰膨大lumbar enlargement 馬尾神経cauda equina 後縦靱帯posterior longitudinal ligament 黄色靱帯yellow ligament |
脊髄と脊髄神経
脳と脊髄は中枢神経に分類される．
末梢神経
脊髄神経，脳神経，自律神経からなる．
（感覚神経と運動神経に分類する場合もある．）すなわち、脊髄は中枢神経で、脊髄神経は末梢神経です。
脊髄神経
頸神経（8対），胸神経（12対），腰神経（5対），仙骨神経（5対），尾骨神経（1対）の31対である．
脳神経
嗅神経（Ⅰ），視神経（Ⅱ），動眼神経（Ⅲ），滑車神経（Ⅳ），三叉神経（Ⅴ），外転神経（Ⅵ），顔面神経（Ⅶ），内耳神経（Ⅷ），舌咽神経（Ⅸ），迷走神経（Ⅹ），副神経（Ⅺ），舌下神経（Ⅻ）の12対。
自律神経
交感神経，副交感神経からなる．