ブログで解説!50回理学療法士・作業療法士国家試験問題 50P61(運動単位)

61. 運動単位について正しいのはどれか。
1.運動神経終末には髄鞘がある。
2.運動終板は筋線維の深部に存在する。
3.運動神経活動電位の発生によって筋弛緩する。
4.運動神経終末のシナプス間隙にドパミンが放出される。
5.正常では1つの筋線維につき1個の神経筋接合部が存在する。

目次

【解説】

運動神経とは?

神経の分類

神経は、中枢神経と末梢神経に大きく分けられます。

中枢神経➡脳・脊髄

末梢神経➡体性神経(感覚神経、運動神経)と自律神経(交感神経、副交感神経)です。

運動神経(運動ニューロン) (参考図はこちらへ)

から末梢(末端や遠方)のへ信号を送る神経です。

脳から筋へ信号を伝える運動ニューロン(運動神経)は、脳から脊髄までが一本の神経線維になっており上位運動ニューロンと呼ばれます。脊髄の前角細胞で上位運動ニューロンは、下位運動ニューロンへ信号が伝えられます。このように、脊髄の前角細胞から筋へ信号を伝える神経を下位運動ニューロンと言います。
上位運動ニューロンは中枢神経、下位運動ニューロンは末梢神経に入ります。

前述の神経の分類では、末梢神経の中に運動神経が入っていますが、厳密には中枢神経の中にも運動神経はあるということになります。

運動神経の筋への接合部

接合部のすぐ手前まで髄鞘(ミエリン)がきていますが、接合部(運動神経終末)には、ミエリン(髄鞘)はありません。

また、接合部は筋線維の表面にあります。

神経伝達物質

運動神経の神経伝達物質

神経筋接合部(軸索終末部と筋の間:シナプス間隙)で、運動神経の信号が神経伝達物質によって筋へ伝えられ筋収縮が起こります。

神経伝達物質は、アセチルコリンです。

中枢神経の神経伝達物質

モノアミン神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン、アドレナリン、ヒスタミン、ドーパミンの総称)があります。

ドーパミンは、ノルアドレナリン、アドレナリンとともに、まとめてカテコールアミンとも言われます。

これらの物質が、中枢神経の神経伝達物質です。

パーキンソン病では、ドーパミンが減少することが関係した筋固縮、振戦、無動などが起こります。

運動単位
motor unit,MU

神経筋単位(neuromuscular unit: NMU)ともいわる。

一つの運動単位は、1個の運動ニューロンとそれに支配される筋線維群からなります。

運動神経は、脊髄の前角細胞から出発します。

筋は、多数の運動単位から構成されています。

神経支配比
Innervation ratio

1本の運動神経は、筋線維をいくつか支配していますが、

その割合は部位などによって異なっています。

例えば、精密な動きが必要な手指などは、1本の運動神経が支配する筋線維の数は少なくなっています。

反対に、精密な動きが要求されない背筋などでは、1本の運動神経が支配する筋線維の数は多いです。

これは神経支配比と呼ばれており、精密な動きでは神経支配比が小さく、粗大な動きの筋は神経支配比が大きいことになります。

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答え

5.正常では1つの筋線維につき1個の神経筋接合部が存在する。

となっていますが、少々疑問もあります・・・。

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