「加湿器肺」は、加湿器が原因で肺炎になった芸能人の方が話題なったりしているのでご存知の方も多いと思います。
新型コロナウイルスなどの予防にも加湿器が注目されている中、風間俊介さんが新型コロナウイルスに感染して声が出ない症状に!
ちょっと、話がそれましたが、加湿器を正しく使えば、乾燥やインフルエンザの感染を防ぐ有効な道具であるのは間違いありません。
ぶっちゃけ、加湿器はどれを選べば良いのか?
せっかく購入するなら、肺炎予防のはずの加湿器で、まさかの肺炎発症!?とならないためにも、しっかり選びたいものです。
その前に・・
加湿器肺炎とは?
「加湿器肺(かしつきはい)」が正しい用語です。空調病などと言われることもあります。
英語では?
Humidifier lungと言います。
「Humidifier」は、加湿器のことです。
「lung」は、肺のことです。
直訳しても、「加湿器肺」そのまんまです^^;
加湿器肺の症状
急性の場合は、発熱、悪寒、嘔吐、咳嗽(せき)、胸の痛み、呼吸困難などの症状となりますが、原因となっている抗原から隔離すると症状は急速に改善すると言われています。
ーWikipediaより
加湿器肺炎の原因とは?
加湿器です^^;
なんですが・・
どんな加湿器が加湿器肺になりやすいのか?
使い方との関連はどうなのか?
などについて調査してみました。
超音波式加湿器は危険なのか?
2001年に日本呼吸器学会雑誌第39巻第3号に掲載された症例レポートによると・・
↑の症例レポートでは、症状が出た症例に、その古い加湿器を使って誘発試験(要するに実験)をしたところ、5時間後には肺炎の増悪症状が出現し始め、呼吸困難と発熱などが観察されています。
日本胸部疾患学会雑誌/33 巻 (1995) 9 号で報告された加湿器肺の症例レポートでは・・
この症例レポートで報告された33歳の男性は、昼間は症状がなく平熱ですが、夜になると38度台の発熱と咳が出ていました。
当時使用していた超音波式加湿器を調査したところ、超音波式加湿器の水の中に白色の浮遊物が認められていたとのことです^^;
日本サルコイドーシス学会雑誌/15 巻 (1996)で報告された加湿器肺の知見では・・
日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌/38 巻 (2018) 1_2 号で報告された加湿器肺の症例レポートでは・・
この文献では、発症した症例が使っていた加湿器は、新規に購入したしずく型の超音波式加湿器であり、比較的安価に購入できるものという報告がされています。また、このレポートでは正しい使用方法をしなければ、比較的新しい加湿器であっても短期間に加湿器肺が発症する可能性があることを指摘されています。
2010年に日本呼吸器学会雑誌第48巻第2号に掲載された症例レポートによると・・
引っ越した後、3年ほど前に購入された空調機(エアコン)を使用して発症されています。
これは、加湿器が原因ではなく、空調機が原因場合ですが、同じ用に機械が原因となっています。この症例の場合では、空調機から複数の菌種が検出されています。
加湿器肺炎にならない機種の選び方
ようやく本題に入ります。
ここまでの症例レポートを見る限りでは、超音波式加湿器が加湿器肺と何らかの関係があることが分かります。
加湿器の種類
超音波式
超音波式です^^;・・
超音波を使って、水を振動させることで蒸発させる仕組みですので、水自体は加熱されません。そのため、超音波式加湿器のタンクの常温の水には雑菌が繁殖しやすい状態となります。
実際、加湿器肺の発症症例を見ると超音波式加湿器ばかりです^^;
最も危険な加湿器というレッテルが貼られています^^;・・
しかし、
ダイソンが、この分野に進出!
タンク内の水や、噴出される前の水を紫外線で殺菌してから超音波で蒸発させる方式をとっています。話題となった商品です。
加熱式
水を加熱することで蒸気を発生させる方式の加湿器です。
電気代がかかるのがデメリットなんですが、最も安全な加湿器と言えます。
気化式
スポンジなどに水を含ませてから風を送って蒸発させることで加湿する加湿器です。電気代(コスト)は、あまりかかりませんが、水を沸騰させないので雑菌が繁殖するリスクがあります。また、広い部屋にはパワー不足となりやすいデメリットがあります。
ハイブリッド式(加熱式+超音波式)
タンクの水を温めて、その水を超音波で拡散させる加湿器です。気化式ではないので、フィルターを使用しません。ただし、基本は超音波での加湿となっている機種がほとんどです。ちなみに、カビなどの繁殖環境をみてみると、カビが最も好む温度は20~25度程度となっています。また、60度近くでも生育できることが報告されていますので、カビなどの菌の発生を温度で抑えるには、60度以上の高温にする必要があります。紫外線ランプを使用している機種がありますが、紫外線ランプの耐用年数や除菌力も徐々に低下することを認識しておく必要があります。ちなみに機種によって異なりますが、殺菌灯及びオゾン灯などの寿命は、連続点灯で3000から4000時間です。
ハイブリッド式(加熱式+気化式)
加熱式と気化式の良いところ取りをしている加湿器です。タンクにある水をフィルターで吸い上げて、そのフィルターに温風を当てることで加湿します。湿度が低い時は加熱式で素早く湿度をアップさせ、その後は気化式で安定した湿度を保つような設計となっています。フィルターを使用するため、雑菌のリスクがありますが最近の機種では、かなり研究されており適切な対策が施されている機種もあります。
おすすめの加湿器
結局のところ、何を重視するかで選び方が異なってきます。
まずは、安全性の面から考えると・・
安全面からは?
どの加湿器の説明書を見ても、メンテナンスフリーの文字は見当たりません。
加湿するためには水を使いますので、その水をタンクに入れっぱなしにしないで定期的な清掃を行うように書いてあります。
それはそうなんですが、・・・
結局・・
加熱式でも20畳以上のものもあります・・。
日本製の加湿器
次におすすめな機種ですが、総合的に判断すれば国産(日本製)の信頼おけるメーカーのものがおすすめです。
ダイニチ (Dainichi) は、日本製の加湿器メーカーのシェアナンバーワンを連続7年以上保持している会社です。
結局、こうなっちゃいました。
海外製のもので、見た目のデザイン性などに惹かれそうになりますが、健康にも関わる可能性もありますのでしっかりしたものを選びたいものです。
このメーカーのものであれば、20畳以上の部屋などの広範囲の加湿に対応したものもあります。
関連記事