将棋の藤井聡太さんが、タイトル戦に勝利して二冠になられていますが、そのうち三冠、四冠、五冠・・まさか八冠すべて制覇するってことになる可能性すらあります。
AIをフル活用した将棋ソフトを使ってみても藤井聡太さんの指し手は、正確無比だったことが検証され改めてその実力が実証されています。
そんな藤井聡太さんですが、AbemaTV将棋トーナメントにも出場されており、その中で採用されたフィッシャールールでも凄まじい実力を発揮されています。
ところで、
AbemaTV将棋トーナメントに採用されているフィッシャールール(フィッシャーモードとも呼ばれます)とは、どんな仕組み何でしょうか?
調べてみると意外に面白い事実が判明したのでご紹介します。
フィッシャールールとは?
英語でフィッシャールールは、何という?
「Fischer rule」です!
Fischerは、開発者のBobby Fischerの名前から来ています。
もともとは、Bobby Fischerというチェスの達人が開発したチェスの早指しのためのルールです。
フィッシャールールの一番の特徴は、一手指す毎に自分の持ち時間が追加されていくところにあります。
こんなに聞くと、時間がドンドン増えて楽できそうなイメージかもしれませんが、全く逆です!
将棋での公式戦での持ち時間は、長いものになると8時間あります。
短いものでも数時間は、あるのでその時間がなくなるまでは、少なくても数時間かかります。
でも
フィッシャールールを採用するような、大会などで採用されている持ち時間は、なんと5分程度です。
ですので、1手打つ毎に、時間が加算されても、すぐにその時間を使い果たしてしまうことになります。
まだ、何となく分かりにくいと思いますので2020年8月に実施されたAbemaTVでのフィッシャールールについて具体的にどうなっていたのかとう言いますと・・
AbemaTVの将棋で採用されたフィッシャールールとは?
お互いの持ち時間・・5分
一手指す毎に、5秒を持ち時間に加算する(フィッシャールール)
要するに、持ち時間がたったの5分しかありませんので、いくらフィッシャールールで加算されるとは言え、加算の時間が5秒なのであっという間に持ち時間を使い果たしてしまいます。
使い果たすと、どうなるかというと、一手打つまでの時間が5秒ということになります。
めちゃめちゃ早指しとなります!
瞬時の判断が要求されることに!
もちろん、時間をオーバーすると、即失格となり負けが決定してしまいます。
フィッシャールールのメリット・デメリット
メリット
時間管理が容易
なんと言っても、持ち時間5分で追加時間が5秒ずつであれば、時間管理がやりやすいです。
勝敗が決着するまでの時間が圧倒的に早くなるメリットがあります。
放送している側からすると、ありがたい話です。
トーナメント戦などの場合のメリットも大きいですね。
運営側からすると、テキパキとした運営が可能となります。
タイトル戦のように、じっくり二日間かけて行うような将棋も、それはそれで面白いんですが・・。
真の実力が分かる?
指す人は、大変ですが、見ている方は対局がドンドン進むので面白いです。
時間があまり無いと、いくらプロ棋士でもミスすることはあります。
でも、それはお互い様なので、それをどんな風に乗り越えるのかもフィッシャールールの醍醐味の一つです。
デメリット
いわゆる悪手と言われる手を間違って指すことに繋がります。
なので、考え抜かれた完璧な将棋では無いということになります。
でも、それが面白いんですよね~!
意外と、デメリットは無いのかもしれません。
この際、全部フィッシャールールでやりますか?
ちょっと待って・・
やっぱり、昔ながらの長考も面白いですよね~。
難しい局面になって、必死で考えている棋士の姿が見れなくなるのはデメリットと言えるかもしれません。
長考の結果、指された一手には、それなりの重みがありますので~!
フィッシャールールの藤井聡太への影響
何か期待した人もいるかも知れませんが、その期待通り?に藤井聡太さんへのフィッシャールールの影響は、皆無と言って良いほどでした。
瞬時に的確な判断をすることが要求されるフィッシャールールですが、2020年8月22日に実施された将棋のAbemaTVトーナメント戦においても勝利されています。
ですので、
藤井聡太二冠へのフィッシャールールの影響は、ナシ!!
と言わざるを得ない結果となっています。
むしろ、フィッシャールールの方が、藤井聡太二冠にとっては有利になるかもしれない感じでした。
【早指し王】藤井聡太七段、「AbemaTVトーナメント」で初代王者にhttps://t.co/lDohhfIRLC
同大会は持ち時間各5分で、1手指すごとに5秒加算される「フィッシャールール」を採用した超早指し棋戦。 pic.twitter.com/NjMIjn1jN5
— ライブドアニュース (@livedoornews) September 9, 2018
過去の大会でも、初代王者となられています!!
マジ、すごい人です!
フィッシャールール開発者「ボビー・フィッシャー」のプロフィール
Robert James Fischer, más conocido como Bobby Fischer, campeón mundial entre 1972 y 1975. pic.twitter.com/zgu2buqRLm
— Tony (@Tony07895412) August 21, 2020
本名は、Robert James Fischer(ロバート・ジェームズ・フィッシャー)です。
IQは、187です(ヤバ!)
(ちなみに、アインシュタインのIQは、160~190と言われています。)
生年月日は、1943年3月9日(2008年1月17日 64歳で没)。
出身地は、アメリカ合衆国ですが最終的には、アイスランドに移住して生活します。
チェスの伝説的な天才として有名なんですが、ボビー・フィッシャーが有名な理由は他にもあります。
どっちかと言うと、こちらの方で有名になっているかもしれません。いわゆる奇行というやつです。
天才の頭脳を持つ人の行動は、紙一重で理解できないのかもしれませんが、ボビー・フィッシャーもまたそうでした。
政治的な行動(反米、反ユダヤ)、タイトル戦を行わず自身が持っているタイトルを返上するようなことも行っています。
タイトル戦を行わずタイトルを返上した理由
簡単に言うと、当時の国際チェス連盟の考えとボビー・フィッシャーとの考えが異なったことによります。
タイトルホルダーであった、ボビー・フィッシャーが防衛戦を行う際、国際チェス連盟にいろんな条件を提示しましたが、そのうちの一つが受け入れられなかったためタイトル戦を行わず、タイトルそのものを返上する形をとるという大胆なものでした。
世界一の実力を誇るボビー・フィッシャーならではの行動だと思います。
(※タイトルなんて、返上したっていつでも取り返せる?! そんな思いだったのかもしれません。)
50対1のチェス同時対決
1964年に実施された様子が残っています。
Chess grandmaster Bobby Fischer playing 50 opponents simultaneously in 1964. (He won 47, lost one and drew two games) pic.twitter.com/InT38lZcGU
— Jerry Whitney (@theharpoonman) August 15, 2020
対戦結果は、47勝1敗、2引き分けです。
流石に、100%勝利とまでは行きませんでしたが、ボビー・フィッシャーが全盛期の頃の圧倒的な強さを見せつけた対戦でした!
フィッシャールールで使用する時計
棋士自身がスタート・ストップを操作する時計でありながら、フィッシャールールに対応した時計が必要です。
フィッシャールールで対戦したい場合は、必須アイテムです。
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