94.突然の左不全片麻痺を呈して搬送された患者の発症後3時間の頭部MRIの拡散強調画像を示す。
最も考えられるのはどれか。
1.脳出血
2.脳梗塞
3。脳腫瘍
4.脳動静脈瘻
5.くも膜下出血
目次
【解説】
発症から3時間以内に検査された急性期脳梗塞では、MRIがCTより感度および特異度が優れているとの報告があります。
特にMRIの拡散強調像が有効です。
早期に脳梗塞を発見し、t-PA製剤(一般名:アルテプラーゼ)を使い機能障害を最小限にすることも可能となっています。
MRIの拡散強調像(diffusion weighted image:DWI)
は、水分子(水素原子)の動きやすさを画像としてとらえたものになります。
すなわち、拡散しやすい状態では水分子(水素原子)の動きの制限がないため、低信号で写ります。
拡散しにくい状態(脳梗塞など)では、血液に含まれる水分が梗塞部位で動きにくくなっており、その部位が高信号(白く光って)写ります。
すなわち、下の赤丸で表示してある部分ですが、
この部分が水分子(水素原子)が拡散しにくい状態となっている梗塞部位です。
答え
2.(脳梗塞)
急性期脳梗塞の画像診断には、MRI拡散強調像が有力な検査方法です。