地域包括ケア病棟の施設基準(平成30年)!在宅復帰率や実績評価は?

平成30年の診療報酬改定による
地域包括ケア病棟の施設基準に
ついてご紹介します。

なかなか、複雑でわかりにくい
印象がある地域包括ケアの
病棟の施設基準ですが、

できるだけ、簡単に概要が
つかめるようにまとめてみました。

目次

地域包括ケアシステムとは?​

自治体(市区町村が中心)ベースで行い、

「住まい」「医療」「介護」「生活支援」
「介護予防」を一体的に提供する
システムのことを言います。

団塊の世代が高齢者となってくる
2025年問題と合わさって
今後、ますます高齢者の受け皿が
不足することが考えられます。

特別養護老人ホームなどの
入居待ちの問題や、病院での
社会的入院の問題などに拍車が
かかってくることが予想されることから

今後は、在宅ケアへ本格的に
シフトするための政策の一つとして
この、地域包括ケアシステムが
考え出されました。

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地域包括ケア病棟の必要性

病院には、すでに回復期病棟などが
用意されていますが、なぜ
地域包括ケア病棟が必要になってきたのか?

ちょっと疑問に思いますね~

そこには、国の財政の問題も絡んで
きていると考えられます。

これから先の、超高齢化社会では
一人の高齢者を若者が一人で支える
構図となることも示唆されています。

そうなってくると、ますます
若者の税負担が増えて
立ち行かなくなってくるのは
必至です。

そこで・・・

療養病床と一般病床の役割を細分化し
医療ニーズ(患者の状態や医療の必要性)
に応じたケアを行える体制を整える
必要がありました。

もう少しわかりやすく言うと

治療の必要性が高い(医療ニーズが高い)
人に対しては手厚く、

さほど必要性がない(医療ニーズが低い)
人に対しては、必要十分なケアを
提供し、

必要以上(社会的な入院など)に
医療資源を使わないようにする
ということです。

そのために、現在、地域で暮らしていて
デイサービス、デイケアなどを
利用している人などで、

体調が悪くなりそうな状態の時や
体力が低下して持病が悪化しそうな
ときなどに、

短期間で治療して在宅に返す
システムが考え出されました。

それが地域包括ケア病棟だと考えて
良いと思います。

これは、大まかに言うと、
ショートステイと回復期病棟の間に
位置すると考えるとわかりやすいと
思います。

地域包括ケア病棟ができたことで、
今までよりもキメの細かいシームレスな
ケアとなっているのは事実だと思います。

介護分野と医療分野の連携の強化

介護保険制度と医療保険制度という
2枚看板のもとで高齢者は医療と
介護を行ったり来たりしている状況ですが

介護分野と医療分野の連携を強化
する意味でも、今回の
地域包括ケアシステムが
期待されています。

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地域包括ケア病棟の施設基準
(平成30年)ー概要ー

地域包括ケア病棟入院料と
地域包括ケア入院医学管理料をもとに
説明します。

基本的には、地域包括ケア病棟への
入院(入棟)期間は60日以内
なっています。

これまで病棟の基準は、2つでしたが
平成30年度は、4つになりました。

看護職員

室面積
地域包括ケア病棟1 13対1以上(7割以上が看護師)
地域包括ケア病棟2
地域包括ケア病棟3
地域包括ケア病棟4

・・13対1以上(7割以上が看護師)

重症度の割合

重症度、医療・看護必要度Ⅰが
10%以上

または

重症度、医療・看護必要度Ⅱが
8%以上

在宅復帰に係る職員

在宅復帰に係る職員を適切に配置

リハビリ専門職を1名以上

室面積
地域包括ケア病棟1 常勤の理学療法士、作業療法士または
言語聴覚士を1名以上
地域包括ケア病棟2
地域包括ケア病棟3
地域包括ケア病棟4

病棟または病室を有する病棟に
常勤の理学療法士、作業療法士または
言語聴覚士を1名以上配置

疾患別リハビリテーションの提供

地域包括ケア病棟に入院(入棟)
している患者さんへの専門職の
関わりについてですが、

疾患別リハビリテーションのオーダーが
出た患者さんに対しては、
一日平均2単位以上の実施が必要です。

介入は、最大9単位/日まで可能。

疾患別リハビリテーションとしての
点数は、とれません(まるめです)。

ただし、「摂食機能療法は、
単位数に加えない。」とあります。​

在宅復帰率7割は、3と4は不要

在宅復帰率
地域包括ケア病棟1 7割以上
地域包括ケア病棟2
地域包括ケア病棟3
地域包括ケア病棟4

地域包括ケア病棟1、2については
在宅復帰率7割以上

地域包括ケア病棟3,4については
7割のしばりは、ありません。

在宅等?(在宅の定義)

在宅等への退院が7割以上とありますが
在宅の定義は、どうなっているんでしょうか?

以下の条件に該当しない場合が在宅と認めらます。

①他の医療機関、②介護老人保健施設、
③同一保険医療機関の当該入院料に
かかる病棟以外の病棟への転棟​

自宅や特別養護老人ホーム、
グループホームなどは在宅等に
含まれることになります。

室面積

室面積
地域包括ケア病棟1 6.4㎡以上
地域包括ケア病棟2
地域包括ケア病棟3
地域包括ケア病棟4

 

入院者の経路(自宅等からの割合は?)

自宅等から
の入棟
地域包括ケア病棟1 1割以上
地域包括ケア病棟2
地域包括ケア病棟3 1割以上
地域包括ケア病棟4

自宅等からの入院(入棟)数の
規定があります。

もう一つあります・・

自宅等から
の緊急患者の受け入れ
地域包括ケア病棟1 3ヶ月以内に3人以上​
地域包括ケア病棟2
地域包括ケア病棟3 3ヶ月以内に3人以上​
地域包括ケア病棟4

自宅等?(自宅等の定義は?)

自宅等とは?​​

自宅、介護医療院、特別養護老人ホーム、​
軽費老人ホーム、
認知症対応型グループホーム、
(認知症対応型の)有料老人ホーム
(併設分は含まない)​

となっています。

自宅等からの緊急患者の定義

自宅、介護医療院、特別養護老人ホーム、​
軽費老人ホーム、
認知症対応型グループホーム、
(認知症対応型の)有料老人ホーム
(併設分は含まない)からの
予定されていない患者

と定義されています。

保険点数の違い

点数
地域包括ケア病棟1 2,738
地域包括ケア病棟2 2,558
地域包括ケア病棟3 2,238
地域包括ケア病棟4 2,038

 

実績評価

◯自宅等からの患者割合

◯自宅等からの緊急患者の受け入れ

◯在宅医療等の提供

◯看取りに対する指針

これらが実績部分となります。

 

地域包括ケア病棟についての概略について
ご紹介しました。


診療点数早見表 2018年4月版 [医科]2018年4月現在の診療報酬点数表 [ 医学通信社 ]

詳細情報につきましては、
厚生労働省の資料などでご確認を!

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