認知症の問題は、最近よく出されています。
特に、黄色のマーカーを引いている部分は、よく問われています。
認知症の一般的な分類
①Alzheimer型認知症
(ATD:Alzheimer-type dementia)
概要
脳の広範囲にアミロイドβなどのたんぱく質の一種が蓄積(老人斑)するのが特徴。
女性に多い。患者数は、増加傾向にある。
脳の神経細胞が破壊されていきます。
脳全体の萎縮も起こります。
症状
記憶障害(初期からみられます)
・・・一般的な物忘れとは異なり、忘れていることを指摘しても思い出すことができません。
判断能力の低下
・・・次第に、物事の手順も分からなくなっていきます。
見当識障害
・・・アナログ時計が読めなくなります。自分が居る場所も分からなくなります。
BPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia(周辺症状)
・・・物取られ妄想、徘徊などもみられるようになります。
②Lewy小体型認知症
(DLB:Dementia with Lewy bodies)
概要
神経細胞の内部にみられるレビー小体と言われる異常な円形状のたんぱく質が大脳皮質や脳幹に蓄積し、神経細胞が破壊されて行きます。
(レビー小体は、パーキンソン病などでも見られます。)
男性に多い。(女性の2倍)
症状
初期から、幻視がみられます。
虫やヘビなどが見えたり、人が見えたりする症状を訴えるケースが多いです。
誤認妄想も特徴で、自分が子供と思ってしまったり、仕事中だと思うこともあります。
パーキンソン様の症状がみられます。小刻み歩行、フローズンゲイト、表情が少なくなったりします。
うつ症状、睡眠障害もみられます。
③前頭側頭型認知症(=ピック病)
(FTD:frontotemporal dementia=Pick disease)
概要
前頭葉や側頭葉の機能障害と萎縮がみられます。
もともとは、ピック病と呼ばれていました。
若い人でも発症する認知症。
思考能力(前頭葉)と言語・聴覚に関する(側頭葉)機能が障害されます。
物忘れは、あまり見られません。
常識的な行動から逸脱することが多く、精神疾患と誤診されるケースもあります。
人格変化も特徴の一つです。
症状
同じ行動を繰り返します。例えば、同じことを何度も言ったり(滞続言語)、同じコースを歩いて帰ってきたりします。徘徊で迷子にはなりません。
決められた時間に決められたことをする(時刻標的行動)などもみられます。
食行動の異常がみられ、同じ物を食べたり、味付けが極端に甘かったり、砂糖を全部食べたりします。食欲も異常に亢進します。
落ち着きがなくなったり、集中力が欠けることがあります。
話言葉にも特徴があり、相手の言葉をオウム返しに言い(反響言語)ます。また、見た目に行動が左右されることが多く、じゃんけんでも、相手が出したものを真似してしまう状態となります。
言葉が中々出てこないこともあります。
反社会的な行動、例えば、万引きなども行いますが、罪悪感はありません。信号や順番を無視したりもします。
考え不精といって、少し複雑な課題があると「分からない」と即答したりして真面目に取り組まない。
④脳血管性認知症
(VaD:vascular dementia)
概要
アルツハイマー型認知症の次に多い認知症。
脳血管障害(CVD:例えば、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血など)後に起こる認知症。
男性に多い。
他の認知症とは異なり、病識はあります。
症状
他の認知症と異なり、階段状に症状が進行します。
まだら症状として、脳の障害されている部位の症状が起こります。脳細胞が障害されていない部位の機能は当然正常ですので、障害されている場所によって症状が異なります。
また、出来る時と何も出来ない時があります。
感情失禁が起きやすい。すぐに泣いたり、怒ったりして、感情のコントロールができません。
夜間せん妄も特徴の一つです。せん妄は、意識が混濁して、興奮状態にあり、幻覚が見えたり、大声を発したりします。