新型コロナウイルスが猛威を奮っている状況で、いよいよパンデミック(汎発流行)が現実味を帯びてきました。
今更ながらですが、パンデミックの定義や語源について調べてみました。
パンデミックの語源
英語では?
pandemic(パンデミック)です。
語源は、ギリシャ語のpandēmosから来ています。
もう少し言葉を分解すると・・
pan- が「all:全て」
を意味する接頭語です。
dēmos は「people:人々」
を意味します。
ということで、「全ての人々」
を意味するギリシャ語が語源ということになります。
ここで言う、全ての人々とは、世界中の人のことを指します。
かなりやばい状況です^^;
日本語の「汎発流行」とは?
パンデミックは、日本語では「汎発流行」と訳されています。
「はんぱつりゅこう」と読みます。
汎発(はんぱつ)
・・主に、病名などに使われる言葉です。例えば、汎発性・・などです。
広範囲に広がることを意味します。
流行(りゅうこう)
・・ファッションなどでは、トレンドとして使われている言葉です。広まっていく過程にある状態を指す言葉です。簡単に言うと「拡大が、進行中」です。
ということで、「汎発流行」は、広範囲に広がっている状態を意味することばです。
「感染爆発」という言葉も、最近使われますが、「汎発流行」よりはイメージ的には分かりやすいと思います。かなり刺激される言い回しです。
パンデミックの定義
WHOの定義は?
WHOにしっかりした定義があるか、調べてみましたが・・・^^;
どうにもこうにも、はっきりしません(2020年11月28日現在)。
ただ、WHOの会報には、そんな批判を覆すような報告もされています。
その中で書いてあるパンデミックの定義は、
パンデミックとは、「世界中で、または非常に広範囲に発生し、国境を越え、通常は多数の人々に影響を与えるエピデミック」
となっています。
ちなみに、エピデミックepidemic とは、日本語では「流行」を意味します。そして、特定のコミュニティの中で感染が広がることを意味します。パンデミックの前段階ということもできます。ですので、上記の定義は、「エピデミックが非常に広範囲に国境を越えて発生した場合をパンデミックというという」という説明になっています。
なんだか、分かったようで分からないような説明のような・・^^;
でも、
大まかには、理解できますね。
ケンブリッジ辞書の定義
世界的に定評のあるケンブリッジ辞書には、
(of a disease) existing in almost all of an area or in almost all of a group of people, animals, or plants:
このように説明してあります。
「あらゆる地域、あらゆる人種、動物、植物において疾患が存在している状態」こんな感じの訳になると思います。
パンデミックは、過去に人や動物、植物でも発生しているため、このような説明になっています。
パンデミックに至る6段階(WHO)とは?
WHOがインフルエンザウイルスによってパンデミックに至る過程を6つの段階に分けて説明がなされました(2009年)。
1つの目安となる基準です。
以下の段階は、新型コロナウイルスが、パンデミックであると認定される1つの基準であると考えられます。
パンデミックに至る6段階の表(概要)
潜在的なパンデミック | |
第1段階(フェーズ1) | 新しいインフルエンザウイルスの存在が、人において確認されていない状態。動物の中では、インフルエンザウイルスの存在の可能性がある状態であるが、人への感染リスクが低い状態。 |
第2段階(フェーズ2) | 新しいインフルエンザウイルスの存在が、人において確認されていない状態であるが。動物の中では、インフルエンザウイルスが循環しており、人への感染リスクが考えられる状態。 |
パンデミックの警戒期間 | |
第3段階(フェーズ3) | 新しい派生したインフルエンザに感染している状態。ただし、人から人への感染が広がっておらず、緊密な接触によっては稀に広がりを見せる状態。 |
第4段階(フェーズ4) | 人から人への小規模なクラスター感染が生じている状態。 |
第5段階(フェーズ5) | 広い範囲で、人から人へのクラスター感染が確認される状態。感染拡大が示唆される状態。 |
パンデミックの状態 (進行中) |
|
第6段階(フェーズ6) | パンデミックの状態。一般の人々へ持続的に感染が拡大している状態。 |
※現在では、上記の分類は使われていません。
まとめ
総合的にまとめると、「人や動物、植物において、世界中、広範囲に疾患が拡大している状態」ということができます。
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