貝毒をご存知でしょうか?
例年、春先に大阪湾では毎年のように、潮干狩りのあさりを食べて、しびれやふらつきで病院受診するケースが発生しています。
海のものは大丈夫と思っていたら、思わぬところに落とし穴がありますので注意が必要です!
潮干狩りの場所によっては、潮干狩りした貝と持ち帰ってもらう貝を分けているところもあります!
安全な貝を持ち帰ってもらうためです!
適当に、人がいない穴場を探して貝をとって帰って調理したりすると大変危険です。
過去には、麻痺性貝毒を有する貝を食べた人が亡くなる例が報告されています!
貝毒とは?
カキ、アサリ、ホタテ貝など、主に二枚貝に発生します!
貝毒を持つ貝と普通の貝の見た目の区別はできません!
毒を持つ理由は、貝の周辺の環境が影響します!
生息する貝の周辺のプランクトンが毒を持っている場合、
それを食べる貝が毒を持つことになります!
プランクトンの大量発生(赤潮)するような場所は要注意です。
発生時期は、2月頃から8月頃までです!
出荷されて我々の口に入る貝は、そのような貝毒の出荷基準(規制値)をクリアした物ですので安全です。
近年では、市販されている貝類による食中毒の報告はありません(平成29年5月1日現在)。
貝毒の分類
貝毒には、麻痺性貝毒、下痢生貝毒、神経性貝毒、記憶喪失性貝毒などに分類されます!
これらの貝毒の成分は、熱に強いため、加熱処理は無効です!
日本で問題となるのは、麻痺性貝毒と下痢性貝毒です!
麻痺性貝毒
麻痺性貝毒を起こす貝の種類
アサリ、帆立貝、赤貝、アカザラガイ、ヒオウギガイ、ムラサキイガイ、牡蠣、ウバガイ、トゲクリガニ、イシガニ等
規制値
可食部(食べる部分)あたり、1グラムあたり4マウスユニット以下です。
麻痺性貝毒の場合の1マウスユニットは、体重20グラムのマウスが15分で亡くなる毒力です。
麻痺性貝毒の症状
フグ毒にも匹敵する威力があります。
食後30分で舌や唇などがしびれ、ひどい場合は身体が動かなくなります。
最悪の場合は、12時間以内に呼吸困難となり亡くなるケースがあります。
体重60kgの人の場合、3000~20000マウスユニットが生命に危険のある量と言われています。
麻痺性貝毒の治療法
現在のところ血清や解毒剤はありません。
できるだけ早く、胃の中のものを吐き出させ、
すぐに病院受診し、胃洗浄や人工呼吸などが必要です。
亡くなる例も報告されています。
時間とともに毒は排泄されますので、通常12時間を越えると回復に向かいます。
下痢生貝毒
下痢性貝毒を起こす貝の種類
ムラサキイガイ、帆立貝等
規制値
可食部(食べる部分)あたり、0.16mg オカダ酸当量/kg 以下です。
(1グラムあたり0.005マウスユニット以下です。)
下痢生貝毒の場合の1マウスユニットは、体重20グラムのマウスが24時間で亡くなる毒力です。
下痢生貝毒の症状
食後30分から4時間で下痢、腹痛、吐き気、嘔吐などの症状が発生します。
亡くなった例は報告されていません。
通常、約3日ほどでよくなります(全快)。
下痢性貝毒の治療法
根本的な治療法はありません。
通常、3日ほどでよくなりますが、
腹痛や下痢や嘔吐などの症状がありますので
病院の受診をおすすめします。
貝毒の発生場所
発生状況
農林水産省ホームページより
規制値を越えて出荷を自主規制した件数を示す折れ線グラフです(都道府県からの報告を集計したもの)。
グラフは、麻痺性貝毒と下痢生貝毒に分けてあります。
大阪府での発生状況
発生年月 | 原因食品 | 採取場所 | 患者数 | 症状 | 状況 |
---|---|---|---|---|---|
平成28年3月 | アサリ | 阪南市男里川河口 | 2名 | 手や口のしびれ、ふらつき | 自ら採取、調理、喫食した。 |
平成25年4月 | ムラサキイガイ、ミドリイガイ | 大阪市内の防波堤付近 | 2名 | ふらつき、しびれ、嘔吐 | 自ら採取、調理、喫食した。 |
平成20年4月 | ムラサキイガイ | 貝塚市内の港内 | 3名 | 嘔気、嘔吐、麻痺 | 自ら採取、喫食した。 |
(大阪府ホームページより)
平成29年の大阪府の発表
(麻痺性貝毒について)
男里川で採取した天然アサリ・・89マウスユニット
二色の浜・・49マウスユニット
大阪府海域のアカガイ・・29マウスユニット
大阪府海域のトリガイ・・19マウスユニット
淀川下流部で採取(3月22日)のシジミ・・22マウスユニット
(国の定める基準値は、4マウスユニット/グラム以下)
二色の浜潮干狩り場
平成29年3月23日に麻痺性貝毒が検出されています!!
規制値を超える49マウスユニット!!
(規制値は、4マウスユニット以下)
潮干狩りは、楽しむことができますが、持ち帰って食べることはできません。
持ち帰り用のアサリと交換してもらってください。
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愛知県の情報(平成29・30年)
区分 | 貝種 | 採取海域 | 採取年月日 | 検査年月日 | 結果 | 判定 |
---|---|---|---|---|---|---|
麻痺性 | アサリ | 伊勢湾海域 | 平成29年4月24日 | 平成29年4月25日 | <1.75 | 安全 |
麻痺性 | アサリ | 知多湾海域 | 平成29年4月24日 | 平成29年4月25日 | <1.75 | 安全 |
麻痺性 | アサリ | 一色・衣浦海域 | 平成29年4月24日 | 平成29年4月25日 | <1.75 | 安全 |
麻痺性 | アサリ | 幡豆海域 | 平成29年4月24日 | 平成29年4月25日 | 4.18 | 出荷自主規制 |
麻痺性 | アサリ | 蒲郡・豊橋海域 | 平成29年4月24日 | 平成29年4月25日 | <1.75 | 安全 |
麻痺性 | アサリ | 渥美半島海域 | 平成29年4月24日 | 平成29年4月25日 | <1.75 | 安全 |
(愛知県ホームページより)
麻痺性貝毒検査結果(平成30年4月17日)
区分 |
貝種 | 採取海域 | 採取年月日 | 検査年月日 | 結果 | 判定 |
麻痺性 | アサリ | 伊勢湾海域 | 平成30年4月16日 | 平成30年4月17日 | <1.75 | 安全 |
麻痺性 | アサリ | 知多湾海域 | 平成30年4月16日 | 平成30年4月17日 | <1.75 | 安全 |
麻痺性 | アサリ | 一色・衣浦海域 | 平成30年4月16日 | 平成30年4月17日 | <1.75 | 安全 |
麻痺性 | アサリ | 幡豆海域 | 平成30年4月16日 | 平成30年4月17日 | <1.75 | 安全 |
麻痺性 | アサリ | 蒲郡・豊橋海域 | 平成30年4月16日 | 平成30年4月17日 | <1.75 | 安全 |
麻痺性 | アサリ | 渥美半島海域 | 平成30年4月16日 | 平成30年4月17日 | <1.75 | 安全 |
(愛知県ホームページより)
区分 | 貝種 | 採取海域 | 採取年月日 | 検査年月日 | 結果 | 判定 |
---|---|---|---|---|---|---|
下痢性 | アサリ | 伊勢湾海域 | 平成29年4月10日 | 平成29年4月11~14日 | <0.01 | 安全 |
下痢性 | アサリ | 知多湾海域 | 平成29年4月10日 | 平成29年4月11~14日 | <0.01 | 安全 |
下痢性 | アサリ | 一色・衣浦海域 | 平成29年4月10日 | 平成29年4月11~14日 | <0.01 | 安全 |
下痢性 | アサリ | 幡豆海域 | 平成29年4月10日 | 平成29年4月11~14日 | <0.01 | 安全 |
下痢性 | アサリ | 蒲郡・豊橋海域 | 平成29年4月10日 | 平成29年4月11~14日 | <0.01 | 安全 |
下痢性 | アサリ | 渥美半島海域 | 平成29年4月10日 | 平成29年4月11~14日 | <0.01 | 安全 |
(愛知県ホームページより)
下痢性貝毒検査結果(平成30年4月4~9日)
区分 | 貝種 | 採取海域 | 採取年月日 | 検査年月日 | 結果 | 判定 |
下痢性 | アサリ | 伊勢湾海域 | 平成30年4月3日 | 平成30年4月4日~9日 | <0.01 | 安全 |
下痢性 | アサリ | 知多湾海域 | 平成30年4月3日 | 平成30年4月4日~9日 | <0.01 | 安全 |
下痢性 | アサリ | 一色・衣浦海域 | 平成30年4月3日 | 平成30年4月4日~9日 | <0.01 | 安全 |
下痢性 | アサリ | 幡豆海域 | 平成30年4月3日 | 平成30年4月4日~9日 | <0.01 | 安全 |
下痢性 | アサリ | 蒲郡・豊橋海域 | 平成30年4月3日 | 平成30年4月4日~9日 | <0.01 | 安全 |
下痢性 | アサリ | 渥美半島海域 | 平成30年4月3日 | 平成30年4月4日~9日 | <0.01 | 安全 |
貝毒に関する問い合わせ
消費・安全局畜水産安全管理課水産安全室
ダイヤルイン:03-6744-2105
FAX:03-3502-8275
参考:産経新聞 平成29年5月1日、ウィキペディア、農林水産省ホームページ、大阪府ホームページ、貝塚市ホームページ、堺市ホームページ