解説! 第48回理学療法士国家試験(48A51) 骨の構造について

51 骨の構造で正しいのはどれか。

1.皮質骨には骨梁がある。

2.踵骨は海綿骨の部分が少ない。

3.発育時の骨髄は赤色骨髄である。

4.関節面は骨端軟骨で覆われている。

5.骨は軟骨よりもプロテオグリカンを豊富に含む。

 

目次

【解説】

骨は?

骨膜,軟骨,骨質,骨髄から構成されます。

骨質は、表層にある緻密骨,深層にある海綿骨からなります。

 

皮質骨は?

緻密骨や緻密質ともいわれます。同義語です。

象牙様で固く強度があり、骨の表層にあり骨幹部で厚く骨端部で薄いです。

関節軟骨の下(深層)も緻密骨が薄い皮質となって被います。

ハバース管は、縦へ走る小管で栄養血管を通します。

フォルクマン管は、横へ走る小管で栄養血管を通し,ハバース管同士やハバース管と骨表面とを結びます。

 

海綿骨 (海綿質)は?

緻密骨よりも内部にあり骨梁を形成します。

骨梁は,荷重(力学的負荷)方向に関連した網目状や線状の構造で,その間隙は骨髄で満たされます。

骨端部や椎骨の椎体、踵骨なども海綿骨で形成される。

髄腔は、海綿骨よりさらに内部の間隙で長(管)骨にあります(成人の鎖骨は例外で髄腔がない)。

 

骨髄は?

海綿骨の間隙と髄腔を満たす柔らかいパルプ状の細網組織で、赤色骨髄と黄色骨髄があります。

赤色骨髄は、造血機能がある骨髄で、5歳頃までは全ての骨髄が赤色骨髄です。

成人では,脊椎,腸骨,胸骨肋骨,長管骨の近位端にあります。

 

黄色骨髄は、造血機能が終わった赤色骨髄が脂肪組織(黄色に見える)へ徐々に置き換わったものです。

 

軟骨は?

軟骨細胞と細胞外基質(硬度を維持するコラーゲン,水分保持作用のプロテオグリカン,ヒアルロン酸などが主成分の線維状や網目状の構造体)からなり、通常,神経や血管,リンパ管はありません。

 

骨端軟骨(=骨端板,骨端軟骨板,成長板)は、骨端と骨幹の間にある板状の硝子軟骨で、骨が完成(骨端線が形成)するまで骨の長さの成長に関係します。

関節軟骨は、0.5~4㎜の厚さで関節表面を被う硝子軟骨で、その摩擦係数は0.001~0.006で潤滑性が高いが自然修復能力は極めて低いです。

 

骨の構成は?

骨膜,軟骨,骨質,骨髄から構成されます。

その構成要素である骨基質は、有機成分の膠原線維,無機成分のリン酸カルシウム,水酸化カルシウム,ハイドロキシアパタイト,ナトリウム,マグネシウム,フッ素などからなります。

※ 骨については、こちらでまとめていますので参照してください。

 

答え

3.発育時の骨髄は赤色骨髄である。が正しい。

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