<解説>第50回理学療法士国家試験問題(50A44) 6分間歩行テスト

44 6分間歩行テストで誤っているのはどれか。

1.テストは2回施行する。

2.被検者の横に並んで歩く。

3.自覚症状の変化を記録する。

4.被検者に残りの時間を伝える。

5.6分間の総歩行距離で評価する。

 

目次

【解説】

6MWT(6分間歩行テスト)6 minutes walk test

 

(1)テストの前2時間以内は強い運動は避け、ウォーム・アップは行わない。

 

(2) テストの前10分間は、椅子に座って安静にし、テストが可能な状態かをチェックし、脈拍、血圧を測定、記録する。

また、靴や補助具を確認し、記録用紙に記録する。

 

この間のオリエンテーションは?

「この試験の目的は、6分間で、できるだけ長い距離を歩くことです。

このコースを今から歩いていただきます。

6分間は長いですが、頑張ってください。

途中で息切れがしたり、疲れるかもしれません。

 

必要ならペースを落としたり、立ち止まったり、壁にもたれかかったりして休んでもらってかまいませんが、できるだけ早く再開して歩き始めてください。

コーンで方向転換して往復歩行します。

コーンを素早く回り、往復してください。

これから私が実際にやってみるので見ていてください。」

(検査担当者自身が1往復し、歩き方と素早い回り方を示す)。

 

(3) 歩行開始直前にベースライン(実施前の基準値)として呼吸困難と全体的な疲労感を(修正)Borgスケールで測定する。

 

(4) スタート直前にできるだけたくさん歩くことと、走らないことを再確認。

 

(5) 検査者は一緒に歩いてはいけない(ATS:アメリカ胸部学会)

 

(6) テスト中の声掛けは時間経過のみ。

最初の1分:「うまく歩けています。残り時間はあと5分です。」

2分後:「その調子を維持してください。残り時間はあと4分です。」

3分後:「うまく歩けています。半分が終了しました。」

4分後:「その調子を維持してください。残り時間はもうあと2分です。」

5分後:「うまく歩けています。残り時間はもうあと1分です。」

残り15秒:「もうすぐ“止まってください”と言います。私がそういったらすぐに立ち止まってください。私があなたのところに行きます。」

6分後:「止まってください。」

試験中に患者が歩行を中断し休息が必要となったら「もし必要なら壁にもたれかかって休むこともできます。大丈夫と感じたらいつでも歩き続けてください。」

 

(7) 6分経過しないうちに中断する場合は、椅子に座らせ、中断した時間、中断理由を記録する。

 

(8) テスト終了後、歩行後の修正Borgスケールの呼吸困難と疲労レベルと、総歩行距離を記録。

 

主な測定記録項目

歩行距離

症状 ( 歩行中の息切れ具合、呼吸困難の変化 )

血圧、心拍数

酸素濃度(SpO2)など

 

実際の測定の例

A.試験前に体調や身長、体重などを記録。

B.試験前のウォーミングアップは行わない。

C.試験前はスタートラインに椅子に座って安静にし、血圧、脈拍などをチェック。

D.スタートラインに立ち、掛け声でスタート。(検者は一緒に歩かない

E.歩行中、検者は一分ごとに声をかける。

F.6分経過すれば椅子に座り、血圧や脈拍、息切れを評価する。

 

解答

2.被検者の横に並んで歩く。

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