前腕の伸筋群について(起始・停止・作用・神経)

腕橈骨筋、長橈側手根伸筋、短橈側手根伸筋、指伸筋、小指伸筋、尺側手根伸筋、回外筋、長母指外転筋、短母指伸筋、長母指伸筋、示指伸筋のまとめです。

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前腕の伸筋群とは?

筋のある場所によって、以下の3つに分類されます。

橈側群3筋(腕橈骨筋,長橈側手根伸筋,短橈側手根伸筋),

浅層3筋(指伸筋,小指伸筋,尺側手根伸筋),

深層5筋(回外筋,長母指外転筋,短母指伸筋,長母指伸筋,示指伸筋)に分ける.

すべて橈骨神経支配多くが上腕骨の外側上顆に起始する.

【橈側群】

1.腕橈骨筋
brachioradialis

橈側群の最も表層にある.

起始 ・外側顆上稜※
(橈側群で最も上)
・外側上腕筋間中隔前腕の橈側を下る.
停止 ・橈骨茎状突起

 

作用 ・肘関節の屈曲(特に前腕中間位で作用)
・前腕の回内,回外
(回外位および回内位から中間位に戻す)
髄節 C5,6
神経 橈骨神経

 

2.長橈側手根伸筋
extensor carpi radialis longus

起始 ・外側顆上稜※
・外側上腕筋間中隔長い腱となって前腕の橈側を腕橈骨筋の後に沿って下り、長母指外転筋と短母指伸筋の下を交叉し、伸筋支帯(第2区画)の下を通る.
停止 ・第2中手骨底の背側

 

作用 ・手関節の背屈,橈屈
・前腕の回内,回外
(回外位からの回内,回内位からの回外)
(・肘関節屈曲)
髄節 C5,6,7,8
神経 橈骨神経

 

3.短橈側手根伸筋
extensor carpi radialis brevis

▲外側上顆炎(テニス肘)との関連が強い

起始 ・外側上顆
・橈骨輪状靱帯
・指伸筋の間の腱膜長橈側手根伸筋の遠位(後方)を下って伸筋支帯(第2区画)の下でリスター結節の橈側を通る.
停止 ・第2,第3中手骨底

 

作用 ・手関節の背屈,橈屈
・前腕の回内,回外
(回外位からの回内,回内位からの回外)
(・肘関節屈曲)
髄節 C6,7,8
神経 橈骨神経(後骨間神経)

上腕骨の外側顆上稜は,上腕骨の外側縁下端の角張った部分で外側上顆から上に続く部分(⇒骨学).

【浅層】

1.(総)指伸筋
extensor digitorum

起始 長および短橈側手根伸筋の下方で
・上腕骨外側上顆
・前腕筋膜の内面
・肘の関節包
・橈骨輪状靱帯
・外側側副靱帯
停止 4本の腱となって伸筋支帯(第4区画)の下を通り,互いの腱は腱間結合で固定され第2~5指の背側で指背腱膜となって広がり3本の索に分かれ
・中央索(1本)が中節骨底
・側索(2本)が末節骨底
(側索には虫様筋,背側骨間筋,掌側骨間筋が合流する)
作用 ・手指のMP,PIP,DIP関節伸展(,MP外転)
・手関節の背屈(,尺屈)※PIP,DIP関節の完全伸展には虫様筋,骨間筋の協力が必須.
髄節 C6,7,8
神経 橈骨神経(後骨間神経)

 

2.小指伸筋
extensor digiti minimi

小指に向かう指伸筋から分かれた細長い筋.
小指に向かう指伸筋腱の尺側を下る.

起始 小指に向かう指伸筋
停止 小指背側で伸筋支帯(第5区画)を通り指伸筋とともに
・指背腱膜
・小指末節骨底
作用 ・小指のMP,PIP,DIP関節伸展(,MP外転)
(・手関節の背屈,尺屈)
髄節 C6,7,8
神経 橈骨神経(後骨間神経)

 

3.尺側手根伸筋
extensor carpi ulnaris;ECU

長く薄い筋.

起始 上腕頭
・上腕骨の外側上顆
尺骨頭
・尺骨後縁の上部
停止 前腕の最も尺側から伸筋支帯(第6区画)の下で前腕回内位では尺骨茎状突起の橈側,回外位では尺側を通り
・第5中手骨底背側
作用 ・手関節の背屈,尺屈
※TFCC(三角線維軟骨複合体)の尺側の壁となる(cf.靱帯学)
髄節 C6,7,8
神経 橈骨神経(後骨間神経)

※PIP,DIP関節の完全伸展には虫様筋,骨間筋の協力が必須.髄節C6,7,8神経橈骨神経(後骨間神経)

【深層】

1.回外筋
supinator

起始 ・上腕骨外側上顆
・外側側副靱帯
・橈骨輪状靱帯
・尺骨の回外筋稜
・肘関節包後面
橈骨頸上1/3を取り巻き近位縁はフローセのアーケード※をつくり橈骨神経深枝を通す.
停止 ・円回内筋の停止部の上方の橈骨に広く
作用 ・前腕の回外
▲後骨間神経が絞扼される回外筋症候群がある.
髄節 C5,6,7
神経 橈骨神経(後骨間神経)

2.長母指外転筋※
abductor pollicis longus

起始 ・尺骨の背面中央
・橈骨の背面中央
・前腕骨間膜の背面中央橈側へ斜めに下り短母指伸筋とともに,長,短橈側手根伸筋腱の上を越え伸筋支帯(第1区画)の下を通る.
停止 ・第1中手骨底の背面外側(橈側)
作用 ・母指CM関節の
橈側外転(,掌側外転)
・手関節の橈屈,掌屈,背屈(筋が掌屈と背屈の軸付近を通り両方に作用可)
・前腕回外位で回外
・前腕中間位で回内
髄節 C6,7,8
神経 橈骨神経(後骨間神経)

3.短母指伸筋
extensor pollicis brevis

起始 ・橈骨(長母指外転筋の起始よりも)遠位ならびに隣接する
・前腕骨間膜の背面長母指外転筋の下を併走し長,短橈側手根伸筋腱を越え伸筋支帯(第1区画)の下を通る
停止 母指の
・基節骨底の背側
・一部,指背腱膜
作用 ・母指のMP関節伸展,CM関節の橈側外転,IP関節伸展
・手関節の橈屈,掌屈,背屈(筋が掌屈と背屈の軸付近を通り両方に作用可)
髄節 C6,7,8
神経 橈骨神経(後骨間神経)

4.長母指伸筋※
extensor pollicis longus

起始 ・尺骨(長母指外転筋の起始より遠位)中央背面,隣接する
・前腕骨間膜の背面伸筋支帯(第3区画)の下でリスター結節の尺側から母指側に向きを変え指背腱膜に移る.
停止 母指の
・末節骨底の背側
作用 ・母指のMP,IP関節伸展,CM関節掌側内転
・手関節の橈屈,背屈
・前腕回外位で回外
・前腕中間位で回内
髄節 C6,7,8
神経 橈骨神経(後骨間神経)

5.示指伸筋
extensor indicis

細長い筋.

起始 ・尺骨(長母指伸筋の起始よりも遠位)下部の骨間縁ならびに隣接する
・前腕骨間膜背面長母指伸筋の尺側を指伸筋腱と伸筋支帯(第4区画)の下を通り指伸筋の尺側を並走する.
停止 ・指背腱膜に移行

 

作用 ・示指のMP,PIP,DIP関節伸展
(・手関節の背屈)
髄節 C6,7,8
神経 橈骨神経(後骨間神経)

 

▲第1区画を通る短母指伸筋,長母指外転筋の狭窄性腱鞘炎(ドケルバン病de Quervain disease)がある.

この冠名(かんむりめい)テストにはアイヒホッフテストEichhoff test(通称 フィンケルシュタインテストFinkelstein test)がある.

区画(compartment)を通る筋について

第1区画・・・短母指伸筋、長母指外転筋

第2区画・・・長橈側手根伸筋、短橈側手根伸筋

第3区画・・・長母指伸筋

第4区画・・・示指伸筋、指伸筋

第5区画・・・小指伸筋

第6区画・・・尺側手根伸筋

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医療関係者のコウです! 日本在住です。 英語を使えるようになったり、パソコンを組み立てたり、木工を作ったりと何かと作ることが好きです。 仕事にも関係のある健康や人体の構造(解剖学)についても興味があります。 新しいものが好きで、人が知らないトレンドを発見したりすると他の人にも教えたくなってしまいます。 その他、車で旅行に行くことも好きです。 まだ行ったことのない高速道路のSAは格好の好物です! ブログを運営している理由は、とにかく、やりたいことを好きなだけやれるようになるためにはじめました! ただ今、ブログリニューアル中です! 気になったことは何でも書いていきますので応援よろしくお願いします。